ぼくたちだってあいつらと同じ
ドリライにむけて復習中。
『アラビアの夜の種族』
- 作者: 古川日出男
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2001/12
- メディア: 単行本
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ものすごーく面白いのに、なぜかジワジワとしか読めない文章で、ズームルッドの語りよりもさらに遅いくらいのペースでの読了になってしまった。しかし古川文体はかっこいいなぁ。唐突に会話文に現れる口語体が気持ち良いよ。『ベルカ、吠えないのか』の感想の時に、この人の文体は歴史ものに合っている気がすると書いたんだけど、間違ってなかったな!(というか時系列的にはベルカのほうが後だっつうね!)(というか、今確認したら書いてなかったっつうね!)(きおくりょくってどこでかえますかー)
作者不明の『アラビアンナイトフッド』を翻訳しましたよ、という体裁の、壮大な騙り。その作品の存在そのも虚構なら、その虚構の作品中で語られる書物も虚構。そしてまたその中でも書物があり……、という構造だけでハァハァしてしまうのですが、なんといっても私がガビーン!と心打たれたのは
以下、ネタバレ! 臆さぬ者は反転ってこい!
もちろん単純に、アルビノの美形ハァハァというキャラ萌えもいたしましたよ! でも私が愛するのはサフィアーンだわー。彼の純真さというか、彼の陽性が本物であると感じさせるのが本当にうまいんだ。
そして最後に、なぜか私を涙させたこの言葉を。
ファラー?