『チャイルド44』

チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

あーーーもーーーーとにかく面白かった!!! ここ数冊はこのミスランクインの面白いものばかり読んでいたけど中でもこれがピカイチでした。
スターリン政権下のソ連が舞台なんだけど、もうその社会の恐ろしさったらないよ。例によって帯とか背表紙とかの説明をまったく読まずに本編を読む主義なので、冒頭の兄弟のシーンを読んでる時にはてっきりパラレル世界のソ連が舞台のSFだと思っておりました。それくらいに、信じられないような状態。いやこれがどこまで現実に近い描写なのかわかりませんけれども!
考えてみたら、ソ連が舞台の小説なんて読んだの初めてかもしれない。
で、描かれている社会の状態の面白さもさることながら、出てくる人たちの心理がまた絶妙なんだー。主人公夫婦の感情とか、ほんと良かった。

しかし二人が最後の最後の逃避行で囚人列車から脱出した後の囚人たちが気になります。いくらなんでも見逃したとあってはアッサリ殺されたりしたんじゃなかろうか。そのへんはレオの出世が間に合ってどうにかしているといいんだけど。
それにしても、追い詰められたあの状態での機転はすげーな。頭いいなー。
あー本当に面白かった。もちろんミステリーとしても面白い。映画化も納得です。