『サマーバケーションEP』

サマーバケーションEP

サマーバケーションEP

うぉう、この本を『くらやみの速さはどれくらい』の直後に読むというのは愚行だったよ。
せめて間に数ヶ月の時間か数冊の本をはさんでいれば……もっと素直に良さに気付けただろうに……。
珍しく妙に軽い文体で、さくさくと読めてしまって、その軽やかさこそがこの本の良さだとわかっているのに物足りなく感じてしまったなぁ。
吉祥寺から浅草橋にかけて、神田川沿いというのはそのまま中央線沿いにニアリーイコールで、私の生活圏にズバリなので、そういう意味で脳内にあまりにもリアルに浮かぶ情景に何か嬉しくなった。テレビのロケとかドラマとかで自分の見知った地域がでてくると妙に興奮したりするあの感覚。アニメの背景があからさまに高円寺だったりするとものすごいテンションあがるあの感覚。
でもそれはこの物語にとっては瑣末なことのほうだよなーー。

これ、主人公、自閉症ですよね? 違うのかな。違うとしても、考え方や行動や、手帳云々が、あまりにも『くらやみの速さ〜』のルウと似ていたのでそうとしか思えなくて、だとすると人々の接し方とかに嘘を感じてしまってしょうがなくて、どうしたらいいかわからなかった。
まぁ、出てくる人たち全員が寓話的なキャラクターをしているので嘘も何もないんですけれども。
うん、受け止め損ねました。何年か後にもっかい読もう。