『大鴉の啼く冬』

大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)

大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)

面白かったです。スコットランドの北海にあるシェットランドで起きた、少女の死の謎を解き明かしていく物語。
過酷な寒さの中で、伝統を守っているという自負とともに生きている島の人々。過去のとある事件が理由で人々から疎んじられている孤独な老人。その人のもつ狂気。新しく島に引っ越してきた人々。かつての夫。かつての妻。伝統的な祭り。強固に絡み合った人間関係が事件にも関係しているだろうことを想像すると、多分この人がこうなんだろうけど、でも、じゃあ、誰が犯人でそこにはどういう理由があるんだ……?と、ドラマとミステリ部分ががっちり噛みあっていて、隙のないお話でした。堪能したー。
これを読むなら冬の寒い時期、暖かいコーヒーを飲みながらがいいな。ベストタイミングだった!