『リピート』乾くるみ

リピート (文春文庫)

リピート (文春文庫)

もし、現在の記憶を持ったまま十ヶ月前の自分に戻れるとしたら?

というのが、この本の裏表紙に書かれている紹介文。タイムスリップ系の中でも、この「記憶をもったままでのタイムスリップ」というのはそれだけで一つのジャンルになるくらいに色々書かれているようです。私も何作かは読んだ記憶が。元々時間もののSFには割りと目がないワタクシなのですが、これは面白かったなぁ。
まず、設定が色々新鮮で楽しかった。偶発的ではなくて事前にわかっていて参加することを選ぶという方式。自分単独ではなく仲間がいる。ジャンプする期間は十ヶ月前に戻るという限定されたもの。で、なおかつ仲間が徐々に死んでゆく。
でもって、そこに付随して必然的に起きるドラマや葛藤が面白い。馬鹿だなぁ、そんなことをすれば今回の時間軸でこういう困難を招くに決まっているじゃないか、と思いつつ眺めたり、それはそれとして、で、この人の目的は……なんなんだ?この物語はどう収束するんだ???犯人が……いるの……か……?と首をかしげたり。


一度行っただけの空の「位置」を記憶するのって、数値的に何かないとほとんど困難なんじゃないかーというのがひっかかりはするのですが
面白かったです。最後の最後のオチのつけかたも割りと好みでした。


とか、しれっと2009に読んだ本の感想を新年から書くワタクシでした。ううう。2009のまとめがなにひとつ書けなかった……!