『最高の銀行強盗のための47か条』

最高の銀行強盗のための47ヶ条 (創元推理文庫)

最高の銀行強盗のための47ヶ条 (創元推理文庫)

銀行強盗を生業としている超怖いお父さんと、そんなお父さんに育てられたから銀行強盗しかできることがない娘と、娘と恋に落ちた男の子の話。47か条は、お父さんの教え。とってもためになります。私も銀行強盗をするときがきたら参考にしたい。
娘が自分を裏切って離れていくことを許せないお父さん(化物級)から、娘と男の子はお父さんに教えてもらったノウハウと人脈をフルに生かして逃げるんだけど、お父さんのノウハウだから先読みされるし、お父さんはマジで不死身じゃねーかって体力だし、警察も追いかけてくるし、その追っ手の警察の中に男の子のお父さんもいるし、危険が迫ってるってわかってるのにヤり始めちゃうし、色々コミカルでとても楽しい一冊でした。爽快なアクションもあり、ハラハラ手に汗握るところもあり。素敵なエンタメ。
主人公の娘が、凶暴で強盗しかできなくて美人でスタイルがよくて、お父さんの銀行強盗仲間の人たちもついつい手助けしちゃうってあたり、鼻くそホジホジしちゃいかねないんだけれど、妙に憎めない娘なのでうっかり応援しました。私は基本的にアホな部分のある娘に弱い。
そしてなにより、この本の何が気に入ったって、最後の最後。登場人物たちがその後どうなったかをダイジェスト的に数行で教えてくれるのが大変気に入りました。そういうちょっとした後日談的なエピソードを入れるのは映画でも小説でも一種の定番だけど、私はそれが大好物なのです。物語が終わっても登場人物たちの人生が続いていると感じさせてくれるのが嬉しい。
すっげーオススメ!ってわけじゃないけど、面白い本でした。ただし表紙のデザインがいただけない。もっとポップでカワイイ表紙にしたほうがあってるのに……。