少女単体「ロミオとジュリエット」の備忘録 の感想

私が以前みにいったシークレットライブの続編ともいうべき作品(?)が上演(?)されたようです。
ううううん、もうあんな胸くその悪い思いはゴメンだ、とサイキさんのご招待出てますよ呼び掛けをスルーしていたんですが。行けば良かったかなぁ。
というわけで、今回の公演に行かれた徳保さんの詳細なレポートと感想

少女単体ロミオとジュリエット」の備忘録の感想

少女単体ロミオとジュリエット」の備忘録
http://deztec.jp/design/06/01/31_syojotantai.html
趣味のWebデザインhttp://deztec.jp/design/)1/31のレポに2/2に追記されたものたち)
私のシークレットライブの感想(id:kotoko:20050517)が引用されていましたし、色々と興味深かったので、ちょびっと感想などなど

しばらくはことこレポートの復習だったので、話はすんなり頭に入ってきました。それだけに、ところどころに埋め込まれた、レポートにない情報が印象に残りました。
・苅谷と○ミ○が出会った頃、○ミ○は30歳のフリーターで所帯持ち。もうすぐ、子どもが生まれると語る……。
・出産の前後、かなりの期間にわたって○ミ○の奥さんは実家に帰っていた。
・じゃれあうロミオとジュリエット。駅で抱き合う場面も。で、奥さんは?
・オークションに出品されたベビー服。赤ちゃんは無事に生まれ、すくすく成長しているらしい。

T田くん*1が妻子持ちだということを、私はこのレポートを読んで知りました。しかし私もまた徳保さんと同じく遅刻していったので到着前にそれが告げられていた可能性もなきにしもあらず。
しかし私がシークレットライブで観た映像においては、T田くんの奥さんと子どもの存在は語られておりませんでした

現実と虚構と徳保さんの間

1月公演がどうとか、ロミジュリがどうとか、2月じゃねーのかとか、それらは全て『苅谷さんが少女単体で今回やっている一連の流れの狙いというのは「どこまでが虚構だ?」という挑戦状』という推論を観客にさせるような展開ができるように*2してあった、適当な成りゆき任せの事態を意味ありげに見せただけの結果じゃないかと私は思います。

帰りの電車はガラガラ。新宿までのたった一駅を、椅子に深く腰掛けて過ごしながら、「すっかり作品の世界に取り込まれてしまったんだなー」と、ぼんやり考えました。どっと疲れが出てきました。

徳保さんは何度も何度も「虚構」「現実」という単語をこのレポートに書いていらっしゃいます。その気持ち、とてもよくわかります。私もそうなりました。
この「どこまでが虚構だ?」という問いは自分が観客でありながらにして出演者にされてしまった時点で、突き詰めれば突き詰めるほどに禅問答じみてくる種類の問いなので「考えてしまうとその時点で苅谷の思う壷なんじゃないか」という思考にまで陥らされてしまう罠です。仕掛けるのはとても簡単で単純なのに、仕掛けられたほうはもがけばもがくほどに深みにはまります。これぞ罠。
私は今はこの一連のシリーズを「これは現実である」と捉えようと決めて、苅谷さんという人は「人生の切り貼りを見世物にしているんだけれども、自分の人生部分だけはフィクションでパッチワークして指摘される前にエクスキューズする下品な感性なんだな」という結論にしました。
これをタチの悪いジョークのように面白がれないのは感性がにぶっているということなのかもしれないけれども、そんな感性なら下痢便なすりつけて捨ててやる、という気持ちです。
そして、これは本当に私が勝手に持っている観客への印象なのですが。
少女単体を好む観客は、これが全部演技である(徳保さんの言い方をするならば「虚構」である)とは思っていないのじゃないかと思います。これが全部「現実であるかもしれない」と認識していて「それでも別にいいんじゃない」と、「やってはいけないことをやってのける少女単体って、まったく、まいっちゃうよネ!」と、「わかっていて面白がってるんですよー」的スタンスなのでは。
いっそ「丸々仕込みであっても構わないけど、仕込みじゃないほうが面白いなー」ぐらいのことは考えているんじゃないかと感じています。
いや、もしかしたら何もかもどうでもいいのかもしれないな。パンクス(自称)を愛する人の気持ちは、ことこ31歳(独身アニメ大好き)には難しすぎます。

これは少女単体の公演のレポートではない

さて。ながながと書いてまいりましたが。
この徳保レポの一番のみどころは、ラストです。良い子のみんな、徳保レポ長いけど、ちゃんと一語一句追いながら最後まで読みましたか? 読んでないなら読んでください。


読んだ? 
読んだね?


私は正直感動しました。
正真正銘これぞ「ネタにマジレス」であるわけですけれども。「そうせずにいられなかった」ということに感動しました。
月影先生! 北島マヤちゃんはココにいます! 徳保…恐ろしい子……ッ(白目)
上に私ゴチャゴチャと色々書いていますけれども、何もかもがどうでもいい。徳保さんによって、この舞台は私(あるいはモニタの前でこれを読んでいらっしゃるあなた)という観客の前で、完成したと言っても過言ではないと思います。
もちろん、T田くんや奥さん含め全員が何もかもを承知している世界である可能性は可能性として捨てきれず、もしくは徳保さんよりもさらにコッソリとスタッフが見張っていて徳保さんの行動の一部始終がカメラにおさめられている可能性も捨てきれず、苅谷さんという人は後付けの上手い人なので、これもいつかは取り入れられて少女単体の用意した虚構の一部とされてしまうのかもしれませんけれども。そんなことは全てどうでもよろしいのです。
それでもこれは、少女単体の舞台ではなくて、徳保さんの舞台だったと言っていい。
*3

*1:私が観たシークレットライブでは、T田くんと称されてたので、T田くんのままで記載させていただきます。わかりにくいかもしれませんが、徳保レポの○ミ○=T田くんです

*2:これはあくまで印象ですけれども、苅谷という人は実はそんなに計算づくで動いてはいないのじゃないかと。漠然とした予感に基づいてマルチエンディングが可能な伏線に化けるかなーという種を年単位で蒔けるタイプなんじゃないかというのが私の予想です。

*3:徳保さんのレポートなんだから当たり前っちゃー当たり前なんですけどー誰もがみんな人生という舞台の主役?みたいな?(ちがうよ!)