『噂』 萩原浩

噂 (新潮文庫)

噂 (新潮文庫)

上記の画像からもわかると思うのですが、帯に

衝撃のラスト一行に瞠目!

って書いてあるんですよ。本当に、こういう帯をつけられるという神経はどういう人が持ち合わせているんだブツブツ。
帯のせいというのではありませんが、全体的にイマイチでした。「ミリアルという香水をつけていないと両足首を切られて殺される」という都市伝説の通りに女子高生が次々と殺されていく…というのは大変面白かったですし、前半はワクワクしながら読めたのですが、登場人物が出揃ってしまったあたりから急激にモチベーションがさがりました。
うーん。広告戦略を請け負う会社の女社長というのが、絶世の美女で才女で…という設定なのですが、その彼女の描写が半端というか。いや、これは半端と言わずに人間が描けているとか言うべきなのかもしれないのですが。この作者はどう見せたいんだ、と思いながら読みました。早いんだよ、ご開帳するのが。
あと不満だったのは、完全に以下の点でだなー


瞠目するべきラスト一行の、作品のオチともいえる部分から「こういうショッキングなことオチにもってきたら面白いだろう」感が透けすぎていて、しかもどんでん返しでもなんでもなくて、こう、なめんな!という気持ちに…。
うん、この本への不満は実のところそこに要約されるのかもしれない。
あとね、刑事にほのかな恋めいたものをさせているあたりがものすごくうざいです。
あ、なんか不満点ばっかりになったなー。でもこれ父が読んだら喜びそう?って気がしました。つまりそういう小説です。