なめてた

なんとか来週の頭まで待ってもらえるだろーって読んでいた締め切りが「そんなわけあるか!」ってことになりました。わーい。ですので急遽お残業でございます。
なめてたついでに、終電という概念を忘れ、夕御飯というものも忘れていました。
これは、や、痩せる……ッ!!
ご褒美設定がケーキと休息のダメ人間)(煙草は吸いっぱなし)

『月の扉』 石持浅海

月の扉 (光文社文庫)

月の扉 (光文社文庫)

面白かったです。こういうミステリ(?)を読むのは初めてかもしれません。ああー強いて言うなら宮部みゆきの『クロスファイア』かな……(いやー?)
なぜハイジャックでなくてはいけないのか、どうするつもりなのか、謎のちりばめ方も好みでしたし、なによりも読者の心の操り方が超好み。

最初は「これは小説なんだから小説の登場人物が力があると断言しているんだから信じるべきだ」というJDCに相対するときのような心構えで読んでいて(それはつまりファンタジーをファンタジーとして読む、ということなんですけれども)でもどうやらこれは現実に即した小説であろうとしているぞ…?となって(ファンタジーじゃないのか…?じゃあ、師匠の力をどうとらえれば……?)、最終的に、その現実とファンタジーがちゃんと融合される、その素晴らしさ。
そこに失敗するとラストはプッて嘲笑にしかならないのですが、私はオオーってなりました。素晴らしい。

『びっくり館の殺人』 綾辻行人

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

主人公が少年の頃、びっくり館と呼ばれるあやしげな洋館で起きた奇怪な事件があった。その真相は……というシンプルな作品。おもしれー。おーもしれー。館シリーズの中でも、かなり好きなほうです。

館に住んでいる少年の病的な描写がすっごい良い。「Help Us」の「Us」はボクとオジイチャンのことだろーと読み慣れた読者は当然思ってしまうわけなのですが、じゃあ、それがどう事件に作用したの?っていう肝心の部分がまるでわからなくて、またしても私は読みながら驚愕できました。そ、そういうことかー!
家庭教師をやっていたお兄さんが、ものすごく思いがけず阪神大震災で亡くなってしまったというのもなんだかサクっと心にささってきたというか。ああー、そうくるかー、というんじゃないんですけれども。うううん、うまくいえない。そういうものかもしれないな、という自然さと言えばいいのかな。妙に心に残りました。
ミステリランドの本はすごく当たりが多いように感じています。一応想定している読者が少年少女だから気合いをいれてるのかしら? という勝手な妄想を抱いてニコニコしたりしています。

「ユリシス」


7/2に、先行試写&トークイベントにいってまいりました。へへ。奥菜恵斉藤工と林剛史*1なんて、素敵すぎる。
映画そのものの感想は「自主制作っぽい」でした。実際のところはある程度お金がかかっているんでしょうし、役者のお三方はちゃんとプロの仕事をされていたと思うのですが。こう、ストーリーの結論の投げ出しっぷりというか、観客への預けっぷりが。あと回想シーンの演出とか。
以下、思ったこと羅列。ネタバレ含みます

  • ブサイクな健康人よりも美人のキチガイ
  • 回想シーンの後ろのホリ(?)幕の皺が気になってしょうがない
  • 母子家庭の工と、社長を父親に持つボンボンの林くんという組み合わせはかなり良い
  • 台詞のかけあいは、これは半アドリブ……?
  • ピストル登場はなんか投稿漫画みたい
  • 蝶々のCGっぷりはいいとして、奥菜さんにとまっている蝶が変
  • あ、でも顔をあげたら工(ピストル所持)というのはかなり良いシーンだった
  • 喧嘩シーンの「この貧乏人が!」みたいな罵倒がこの映画一番のみどころ*2

という感じでした。
トークイベントは、お二人ともかっこよくて、あと客席の妙な露出度の高さとかがアレで、色々と楽しかったです。お二人とも、こまかなところで客席に手をふっていたり、「いつもイベントに来てくださる方なんですよ」とか言ったりとかしてて、ファンサービスばっちりだなーって感心しました。ポラロイド撮影、したかった……!
劇場公開は、9月の予定だそうです。

*1:トークイベントをしたのは、後者二人

*2:言うまでもなく死ぬほど主観です。