トリポがサーバ移転作業中なので、こちらで。

仕事中に携帯が鳴った。例のメンヘル38才から。いやーな予感がした。とりあえず、打ち合わせ中だったので、放置。10分もしない内に、再度携帯が鳴る。
あーこれはますます危険な予感。


打ち合わせが終了して、電話してみると、案の定、だった。


泣きながら、リタリンが切れた区の担当の保険士の電話が話し中で繋がらない医者はもう時間的に終わっている死にたい孤独だ、とくり返す。くり返す途中途中に「ごめんね、重たいよね」を挟む。
別に重たくはない。話を聞いておさまるのなら、まあ聞くぐらいのことはできる。でも、聞くことしかできない。それも、長時間は付き合えない。仕事中なのだ。
うん、うん、とただあいづちを打ちながら10分ほど話を聞いていた。
「今、刃物を持って来た」
なんだそれは、なんなんだ、それは。


そりゃー脅迫ってもんだよ、お姉さん。私達は、まだ、友達にもなっていない。そりゃー依存しすぎってもんだ。友達になっていこう、という過程で、そんな脅迫めいたことをされても私も応えられない。


「私の存在はなんなんですか」と聞いて、私は電話を切った。


彼女がどうしているか、知らない。彼女はもう手首は切らない。切るなら、腹だろうと思う。以前にも一度、腹に包丁を刺して入院しているから。


彼女はきっと、私を待っているのだろうと思う。せめて電話の一本、と思っていることだろう。でも、電話をしてしまったら、私はきっと彼女の元に駆け付けることになる。電話をしたら、その電話口で、彼女は自分を傷つけるだろうという確信めいた予感がある。


彼女は「あのコもやっぱり私を裏切った」と思っているかもしれない。友達ならどうして駆け付けてくれないの、と思っているかもしれない。わからない。裏切るほどの関係すら、まだ私達の間にはできていない、ということは、理解されないことだろう。関係は、一方通行ではできない。