『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』 北尾トロ

裁判長!ここは懲役4年でどうすか―100の空論より一度のナマ傍聴

裁判長!ここは懲役4年でどうすか―100の空論より一度のナマ傍聴

かなり時間をかけてちまちまと読んだ一冊。面白かったです。ただ、さらりと傍聴した感想レポートという感じなので、私のような社会派人間にはちょっと物足りないというか。もっと事件の詳細を!そして、結果を!!という気持ちも少々。そういう人は傍聴にいってみるといいよ、という本なのだと思うので、まんまとはめられたと言ってもいいのかもしれません。
軽くて読みやすい文体。へたれな絵。とっつきやすい本だったと思います。まあ、でも再読とかしないかな。


<以下ネタバレします>


え?ネタバレ?という感じなのですが。ひとつだけ、気になったことを。
素直に正直に書こうとした結果なのだとは思うのですが、レイプ裁判を楽しみにする、というくだりはいただけませんでした。
レイプ裁判の場合には訴えた側の女性の証言の時には傍聴人は退席を命じられるようなのですが、まれに証言が聞けることもあるようで、その証言をワクワクしながら聞いているという状態には辟易。
私は特にフェミニストというわけでは全然ありませんが、この本でそれだけが唯一不愉快でした。
おそらくこの本は「北尾さんが書いている」ということも重要で、だからこそ率直に感じたことを書くことを編集サイドも選んだのだとは思いますが、それでもちょっとね。