『ジョゼと虎と魚たち』


物語 ★★★★★
映像 ★★★★☆
演技 ★★★★★
総合 ★★★★★
一言感想:ツマブキも池脇も、どちらのほかの誰がやってもダメだった、そういう映画だと思います。

観て来ました。いってよかった。シノハラくんありがとう。
感想は色々ありすぎて何から書いたらよいものかわかりません。とにかく、なんていうか、リアルでした。あと池脇千鶴がすごく良かった。よくこんな難しい役をこなしたもんだなと思う。あとツマブキくんが無理矢理な関西弁を喋ったりしないところも良かったです。
全体的に正直なんだな、この映画。きっと。
恋人といくよりも恋人になりたいと思っている異性といったほうが良いと思いました。


<以下ネタバレ含む感想>



この映画は二人が別れるであろうことはわかっているわけで、そうでなかったら物語が成立しないから、問題はどうして別れるのか、というところなのだと思うんだけれども。
身体障害者と付き合って別れたらきっと付き合い続けるにしても別れるにしても背負わなくてはいけないものはあるわけで、それをわかった上で付き合おうとしたときのまっすぐなツマブキくんも、ずっとアンタがおぶさってくれればいんだ、というジョゼの言葉に「俺だっていつまでも若いわけじゃない」と答えた瞬間に見えてしまったツマブキくんも、どっちもそのときの本当というか、「どんな恋愛だって同じなんだよ!」と慰めにもならないようなことを言ってあげたい気持ちになりました。
うううん。心につまされる部分が個人的にあまりにも多くてこれ以上はうまいことかけないなあ。
きみら、出会うのがあと5年遅かったらもっと違う結論に達することもできたろうにね。男は5年じゃ無理なのかな。


帰り道、彼のバイクの後ろで坂道をくだりながら、ジョゼはこの風を一生知らないのだ、と思って、またちょっと泣いた。