『オトナ語の謎。』 糸井重里監修
- 作者: 糸井重里
- 出版社/メーカー: 東京糸井重里事務所
- 発売日: 2003/12/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 4人 クリック: 240回
- この商品を含むブログ (68件) を見る
すっごく面白くて、疲れた頭にちょうどいい感じでした。今、宮尾登美子を読みかけなんだけど、ちょっと息抜き。私はいつのまにかオトナ社会にフェーーードインッ!(バイクごとオレンジ色のところに突進していくところを思い浮かべた人は同年代認定)していたので、出てくる単語出てくる単語、おなじみのものばかりでした。でもそういえば最初の頃はよくわからなかったんだった。たとえば
とか。グロスっつたら唇をツヤツヤにしてくれるあれしか思い浮かばなかっただよ。なに言い出しただ、この人って思ってただよ。
グロス
個々の量ではなくて、総量で。総額で。「そこはグロスで考えましょう」などと使うとなんとなくカッコいいが、「1コ1コじゃめんどくさいよ〜」というオトナの思惑も見え隠れする。対となる言葉として、正味の量を示す「ネット」がある
あと、私が「???」だったのは「ごっとーび」とか「プライオリティ」とかね。カタカナ語は商社の人とかが使いたがるので、うちみたいな田舎企業は、打ち合わせにいった全員で「誰かわかってんだろー」って聞き流して、あとで「おいおいプライオリティーだけはっきりさせといてくださいってどういう意味か誰もわかんねーのかよ!」ってみんなで慌てて辞書を引いたりしています。ほのぼの。
あと、言葉の意味がわからないっていうよりも「きちんと喋らなくてはいけない」と思っていた私にとって、「え。これ、上司が普通に使っているけど、これは上司がもういい立場のおっさんだから使っているくだけた表現なの?それとも誰もが使う表現なの??」ということが多かったように思う。たとえば
これなんて、完全に上司のオリジナルな言い回しだと思ってたもんね。まさか全国的に通じるとはね。他にも「ゴーする」とか「ガラガラポン」とかね。今は立派に使いこなしますよ。
シャンシャン
予定調和でなにごともなく終わること。「なんだよ、結局それかよ」といったニュアンスで使われがちだが、火を噴くよりはシャンシャンのほうがマシである。
「あーこれは現場サイドに聞いてみないとなんともジャッジしにくいところなんですけどねー。納期的にそうも言ってられない世界なんで、とりあえず、御社サイド的にはゴーするって形でコンセンサスだけ取っといていただけますかー。あとは、もうガラガラポンで、なんとかしますんで。」
とかね。
けっこう学生でも使うよね?これ。っていう単語も多かったけど、この本流の定義が面白かったりして、とても楽しめる一冊でした。