『長い家の殺人』歌野 晶午

どえー。どえー。ひどいひどいと聞いてはいたけれど、すごいな、これ。一番面白いのは、島田御大の後書きです(断言)(講談社文庫版)



<以下ネタバレ>



いやいや、ネタバレもなにも。これトリックわからない人おりませんがな。もう家の見取り図見た時点で、殺人がおきる前からトリックがわかる。なにがどう謎になるのかはわからないけど、解決はこうなるはずってわかる。
だって、ねえ。突き当たりだよ?長い廊下だよ?他に何があるっつうのよ。ていうか、あの別荘みたいなところはともかく、スタジオでは気付くだろ。三部屋あるはずのもんが2部屋になってたら気付くだろ。アホきゃー。アホなのきゃー。


あ。ひょっとして、これメタ?メタなの?かなり本気で聞きたい。


人間が描けてないとかそういうのは、魅力的な謎の提示(ぱくり)と鮮やかな解決があって初めて「そんなの問題じゃねえ」と言えるものであって、こりゃあなんていうか酷い。
あんまり酷いんで、『白い家の殺人』も読んでみようかなーって思っちゃうくらいひどい。よくもまあここから『葉桜の季節に〜』までいったもんだなあ。人間てすごいなあ。
ああ、でも、あの本の文章の不自然さはわざとかと思っていたんだけど、そうじゃないのかもしれないって気がしてきちゃったなあ。