『蛇にピアス』 金原ひとみ

蛇にピアス
あっという間に読めてしまった。昼休みが余ったよ。びっくり。
痛い描写は苦手なので、終始辟易してしまった。あと、いろいろ理解不能。アマを愛する気持ちはわかるけど、シバと一緒に暮らせる気持ちがわからないよ。そもそも、スプリットタンに憧れるという気持ちがわからないんだけど。
でも、面白かった。ああ、どうなってしまうんだろう、と思いながら一挙に読んだ。
こういうものに美しさを感じはしないけど。


なんだろうな。ルイの言う「暗黒に属していたい」というような気持ちは、若者に共有というか、誰でも持っているんだと思うんだ。
シバはすでに彼岸にいってしまっていて。ルイは、甘えたままでそこにズルズルとはまっていっていて。どうでもいいんだろうか。生も死も。
でもって、私にとって救いなことは、ルイがアマに対して愛情めいた感情を抱いていることにあるんだけど。
結局、その退廃にいってしまうのか。あー。


でも、なんだろう。ものすごく、いやな気分がする。うまく言えない。最終的にシバを受け入れているゲなところがダメなんだろうか。たぶんこの小説は、安易な言葉で言うなら「愛の形」とかそんなようなことを書いているんだと思うんだけど。
人間としての感情の発露の形が違う、というか。うまく言えない。破壊的だとか、破滅的なものを、今は受け付けないのかもしれないな、私が。


書評でも読んでみようかな。何が評価されたのか知りたい。