『脳男』 首藤瓜於

脳男 (講談社文庫)

脳男 (講談社文庫)

すげーおもしれーーーー。文学賞メッタ斬りを読んで買ってしまった第1弾。関係ないけど積ん読消化よりも新しく買ってしまった本を優先してしまうというのはこれは一体どういう心理なんでしょうね!
もうまず、鈴木の設定からしてツボ。なんだけど。あのね、本文を120ページくらい読まないとでてこないことを、裏表紙の内容紹介で書くの、ほんといいかげんやめてくれないかな!もー!!だから文庫は嫌いなんだよ!!
これ、ラストからして続編が出そうな気配が満々なんだけど、どうなんだろう。茶屋もシリーズ化に適しているキャラしてるし。
難を言えば、後半がちょっとだらけるというか、鈴木の謎がだいたいのところわかってからが、イマイチ。


<以下ネタバレ>


いやー。真梨子の謎の行動力がすごいね。よくもまあそんな山小屋とかまで行くもんだ。あと、鈴木一郎が世界を取り戻す瞬間の描写とか、よくやった。それがきっかけで、とか、下手なことを書けたもんじゃない設定なのにね。うん、よきかなよきかな。
緑川と鈴木の関係が弱かったのがちょっと残念かなー。緑川視点のパートがはさみこまれていたらさらに好みだったんだけど。鈴木の鉄槌っぷりは、じいちゃんの刷り込みだと思うんだけど、この先どうなっていくんだろうなー。
玲子トラップは、まさかそんなふうに玲子ちゃんが再登場すると思っていなかったのでびっくり。ひでえ。


最初読み出した時は、てっきり鈴木は北で訓練を受けている、とかそういう福井的展開になるもんだとばかり思っていました。てへへ。裏表紙は読了してからみてびっくりしたんだよ。