『迷宮百年の睡魔』 森博嗣

迷宮百年の睡魔 (幻冬舎ノベルス)

『女王の百年密室』の続編。絶対に、『百年密室』を先に読むべきです。続編として、とても楽しく読めました。 キャラクターへの思い入れはそんなにないんだけれど、やっぱりロイディーは素敵だ。
あと一冊くらい出るんじゃないかな。もっと出るのかな。わからないけど、ちょっと主人公の心がこのままではおさまらないというか、おさまりどころが見えないままなように思います。

以下ネタバレ服務

読み始めてしばらくするまで前作の肝心な設定を忘れていたりして。ははは。でも読みながら思い出したんで十分だったから無問題です。
クジアキラの外見に息子が云々は、あんまり好きじゃないかな。眠っていたのが一年（だっけ）っていうのは、なんていうか、謎としては小物というかどうでもいいのであんな叙述めいたこと必要だったのかしら、と疑問。まあいいや。
前作もそうだったけれど、街の設定が私にはツボで、美しい設定だなあ、と思いました。世界観自体がこうした街をつぎつぎに描けるようになっているから、シリーズあと数冊あるなら街の設定が一番楽しみかもしれない。

完璧な美である女王というのは、ビジュアル的に完全に脳内の産物になるので、あんまり挿絵はほしくないかな。なんかちょっと、女王の設定がプロメシュームみたいになってきましたね、とか思ったのは私がおばちゃんだからかしらかしらそーなのかしら。

しかし、主人公の心はどうなっていくんでしょうね。クジアキラなのか、女王なのか。外見と魂と恋と生きるということと。今後が楽しみ。