『カタコンベ』 神山裕右
- 作者: 神山裕右
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/08/07
- メディア: 単行本
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つか、この帯はネタバレの域だぜ、おいおい。まあいつものことだけどさ。
作者にケイビングの経験がない、というのは驚き。てっきり実体験を元にしてるんだと思ってた。へー想像だけかー。
感想としては、いまいち。つまらなくはないけど、なんつうか、もっとやりようがあるよねーというところ。江戸川乱歩賞だからなあ、で終わりです。もっと上手に構成とかしてくれたら、絶対に3倍くらい面白くなるのに。
そして、毎度のことながら、巻末の選考者のコメントがとっても面白い。選考者のコメントって、選考への姿勢が見えるよね。ほんとにね。
以下ネタバレ含みます
入れ子構造で、どれが誰なのか、最初はわからない、という効果があまり劇的に暴かれないのが私としては不満。そこはやっぱりもっとひっぱるとか。推理しないとわからないとか。そういうほうがいいんじゃないのーと思いながら読みました。
柳原助教授だっけ。あれとか「死んだと思ってた人が生きてた」パターンとしては最悪の部類だと思います。だって、「実は生きてるとしたら、この人だな」っていうの一人しかいないし。
過去の怨恨関係が薄いしね。あと、ヤマイヌどうなの、あれ。なんかラストでももう一度ふってたけど。どうなの。
ただ、見殺しにしちゃったお父さんが生き抜こうとしていた、というエピソードはすごく良かった。私のツボだった。