『四日間の奇跡』 浅倉卓弥
- 作者: 浅倉卓弥
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2004/01/01
- メディア: 文庫
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以下、ネタバレするので反転してお読みください。 私が一番いやだったのは、説明台詞で全てが語られていくところ。行間を読ませろよ、行間を!といいたい。
あとは、あれだな。真理子が泣きすぎる。目が覚めて泣いて、夢みちゃ泣いて、過去の話しちゃ泣いて、未来ちゃんに話しちゃ泣いて。そんな涙の大安売りしちゃったら、感動もクソもねーよ。
全体的に人間が描けてないまくりなわけですが。荻原も藤本も、結局のところにじみ出る人格というものはついぞないままに終了しましたね。壊滅的なことは、真理子の人格が、泣いてばかりいるために言うほど強く見えないこと。出だしの奇妙な明るさは良かったんだけどなあ。 この作家はまだドラマつくりのメリハリがわかってねーんだろうなー、という感じがずっとついてまわりました。
強いて言うなら主人公の父親は好きでした。本人が出ない分、説明台詞がなくて、行動からだけ読み取れるからかな。 まあ、ひどい小説でした。うまく料理すれば、もっと良い作品になっただろうに。それだけの材料はそろってる。誰かリメイクしてください。