銀盤カレイドスコープ

面白かったです。始まった当初は、どうなることかと思ったのですが、ヒァウィゴーが快感になってきたあたりから段々とこのアニメへのスタンツのとりかたがわかってきたと言いますか。斜めな面白さかと思いきや、まっとうに面白いドラマがちゃんと待っていたじゃないか。というのが正直なところです。
最初から「天才」として存在している主人公というのは元々大変な大好物なので贔屓目になりがちではあるのですが。でもやっぱりこのアニメ「それでもうまくいかない」部分と、ピートの存在とがきちんと噛み合っていたと思います。記者たちに対する毒舌云々は正直ぬるかったと思いますけれども。「表現者」としてのタズサの成長がピートによるものなことは確実なわけで。表現力を高めるには、恋が必須なんだっつーことですよ! な!! 亜弓さんもウソっこの恋愛してもダメなんやでー。*1
最終回いっこ前あたりの、ピートが消える日が着々と近付いてきている……ってあたりなんて、100日期間限定とわかった時点から了承している展開とはいえ、やはり泣きながら観てました。
このへんの物語部分における原作の力って何割くらいを占めるんだろうなー。原作を読んでいない身として、タズサとピートの関係性ができあがっていくのを見守る過程はなかなか良かったのですが。原作ファンはどう思っているんだろう。作画の時点でアウト? かしら?
で、その最初から最後までアレだった作画ですけれども、氷の女王リアの天才スケーティングは説得力満点の止め絵で!とか、実験的?っていうの?なんかもうコレはコレでアリですよ! という気が私はします。だせねーんだよ!パラパラ省エネアニメでフィギアスケートの魅力なんてよ! という叫びに、ほら、耳をすませてごらんなさい……ね? (ね?じゃねー)*2
なんにしろ、タズサの演技を本当に観てみたいーと視聴者に思わせた時点で、このアニメは勝ちだと思います。たとえそれがそのウエイトレス演技は一体どうやってるんだよ!というものだったとしても。
最終回単体の感想としては、氷の女王リアの天s(ry)+大絶賛ナレーション&観客にスゴイのが!とか、アメリカ人ライバル視した2秒後には退場はえーとか、本当にとんでるー(さっきからとんでるー)とか、4位だったーとか、2位と3位だれーとか、コーチ結婚伏線ちゃんと(?)ひろうカットいれたーとか、タズサのラストカットその罵倒?!と思いきや飛行機みあげて微笑んだーーーーーとか。各種方向性にあつくて面白くて、良かったと思います。
肝心のピートとのお別れのシーンが、なんかちょっと食い足りない気もするのですが。「いかないで!」が聞けたからもうオバチャン満足やで。目のウルウルが、うるうるって言うよりもガクガクって感じでうるさかったけど、べつにいいや!
なんか、あれですよ。ピートが、あっさりと消えていったの、チューしたりしないの、それがいいんだよ。

*1:関係ないけど、「ふたりの女王」上演後の亜弓さんの「まるで自分じゃない人間になったみたいだったわ」って主旨の台詞にキョトンとした顔で「私はいつもそうだけど……」って答えるマヤちゃんは、本当に、心から、殺したいくらいに、憎い。原作でもページをやぶきそうになるくらい憎かったけれど、アニメで観ても憎かった。

*2:どこで耳にした噂だったか忘れましたけれども、DVDでは第一話をまるまるリテイクだかリメイクだかリライトだかするとかしないとか。別にしなくてもいいんじゃないのかなーそこまで含めての「銀カレ」ってことで。と思います。最終回の監督も名無しさんでしたし、作り手側のハラワタが煮え煮えなのはわかるんですけれどもねー