『シャングリ・ラ』 池上 永一
- 作者: 池上永一
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/09/23
- メディア: 単行本
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とにかく、盛り沢山。ある意味で緩急はあまりないのかもしれない。ずっとずっと高密度。アクセル踏みっぱなし。文章がまたあんまり手触りの良い文体ではないところがミソだなあ、と個人的には思います。直進だから猛スピード出してるんだなーあの電車って思って眺めていたら微塵もブレーキ踏まずに直角にカーブ曲がりきっちゃったよ!!的な興奮。
未来の世界経済は、炭素排出量を基準として回っていた。日本政府は、東京上空に巨大な空中都市(フロートテンプルよりでかいよ!)を作って都民を移住させた。地上は闇雲な緑地化によってジャングルと化し、人々は空中都市に住める選ばれし層と、地上で酸性の雨に打たれながらなんとか暮らす忘れられし層にわかれている。日々ジャングルの炭素吸収によって炭素経済社会を生き抜いている東京を舞台に繰り広げられる、未来を切り開くための闘い。SFでオカルトな超大作。身分格差、渦巻く陰謀、生まれながらにして運命を背負っている少女。くーー!
以下、ネタバレ感想 脳内で思い描いているドゥオモの画像が、生きているみたいに息づいていて、なんていうか、「あ、こういうのが脳内に浮かぶってことは面白かったんだな」って自分で実感しています。
たいへんに満足!