エキシビジョン観てます

今回の冬季オリンピックは、引越しでテレビがうつらなかったこともあってほとんど観なかったのですけれども、今フィギアのエキシビジョンだけ観ています。
昔(たしか)サラエボのときに、(たしか)ロシアの(たしか)アイスダンスのペアの(たしか)金メダリストの人たちのエキシビジョンが本当に素敵で感動したことが忘れられなくて、あの感動をと求めて毎度エキシビジョンは楽しみにしているのです。
私はフィギアでもアイスダンスでも(実はあんまり区別ついてないんですけれども)やっぱり何回転ジャンプとかスピンとか、派手な「技」を求めて見てしまうんですけれども。そしてエキシビジョンにおいては、本番の試合では絶対にやらない男女逆転とか、面白い演技を楽しみにしているのですけれども。そのペアはほとんど派手な技をいれず、ただひたすらに二人でぴったりと寄り添って見詰め合ってすべっておりまして。もう、それが本当に優雅で、美しくて、完全に二人の世界で、それは二人が二人だけの世界にこもっているという意味ではなくて、世界が二人だけのために存在しているかのような世界で、会場もしーんと静まり返っていて、母と二人でテレビの前でボロボロ泣きながら観たのでした。
たぶん、言語化された物語ではない「表現」というものに感動して泣いたのはあのときが初めてだったのじゃないかと思います。
あれから何度か冬季オリンピックがあって何度かエキシビジョンを観て優雅な演技をする人たちもいっぱい観たけれど、あのときの彼らを超える演技はまだありません。たぶん、これからもないんじゃないかと思っています。
あれから、紛争があって、ぼろぼろになってしまった会場をニュース画像で観て、失われた何かに涙して、それでもやっぱりあのときのあの美しさというものは永遠に刻まれているわけで。
私は、そういうことにどうしても感動を覚えます。今でも風に優雅になびいていた紫色の女性の衣装を思い出す。