時間があったら書き直したり書き足したりするかも

私が自分の白痴っぷりをさらしていたら、白痴DAISUKIシノハラくんが反応してくれました(みかんの星 2006年4月18日)ので、エウレカについてウダウダ言います。

まずは、シノハラくんとこから。

エウレカセブンの物語構造は「天空の城ラピュタ」「不思議の海のナディア」と同じであり、もっと言うなれば、騎士が妖精や精霊の助けを借りて、悪い魔法使いからお姫様を助け出すという西洋の騎士物語(おとぎ話)と同じ物語構造をしている。以下にその対比表を示す。

要素
天空の城ラピュタ
不思議の海のナディア
交響詩篇エウレカセブン
ルパン?世・カリオストロの城
主人公
パズー
ジャン
レントン
ルパン
お姫様
シータ
ナディア
エウレカ
クラリス
協力者
海賊
ランディスノーチラス号
ゲッコーステイト
クラリスの執事?だった人
予言者
シータの祖母
ブルーノア
ノルブ・サクヤ
なし
敵対者
ムスカ・軍隊
ガーゴイル・ネオアトランティス
デューイ
カリオストロ伯爵
アイテム
飛行石
ブルーウォーター
コンパクドライブ
二つの指輪
デウスエクスマキナ
なし
ネオ皇帝
ニルバーシュ
なし
 物語は、「<主人公>が、<協力者>の助けを得て、<予言者>の指示に従い、<アイテム>を手に入れて<敵対者>を倒し、<敵対者>にさらわれた(若しくは捕まっている)<お姫様>を助け出す。」という基本構造になっている。

ふむ。騎士と姫構造。うううん?
どうも感覚的に同意しかねるものが。レントンが最後まで成長しなかったような印象があるからレントンを騎士と認めたくないだけのかもしれませんけれども。
でも実際、エウレカに対して自分が未熟であると反省してをアホかと思うほどに何度も学習することなく繰り返して、手に手をとって覚悟を決めて降りたったはずの日本で、あんなふうにエウレカに切れたり、自分もエウレカと一緒になるって言って腕を傷つけて熱をだしたりしているのを観てきた身として、レントンのことを何一つ信用できなくなっていますよ。あれが騎士? エウレカを助ける騎士?
最初にレントンが家出してチャールズ&レイのところから戻ってエウレカと手を取って飛んだ時は感動したんですけれどもね。あれが成長の一段階目でその後もちょっとづつ大人になっていってくれれば良かったのに「アレはなんだったの?」的な未熟さ露呈ばかりで振り出しに戻っていたから、もうどんなに優しいことを言おうが何しようが、ちょっと追い詰められたら自分のことしか見えなくなるタイプだとしか思っていません。レントンは絶対にDV旦那になります。エウレカそんな男のどこがいいんだーって私に言われているところなんかもピッタリ!
まぁ、騎士であることとDV旦那になることとは両立可能かもしれないんですけれどもね。

 で、こうして書いてみると、実はエウレカセブンは、この物語構造をかなり忠実になぞっていることがわかる。

というか、エウレカはとらわれていない。精神的には「自分は人間ではない」というコーラリアンであるがゆえの宿命的な呪縛の下にあるけれども、でもそれは敵対者(悪い魔法使いであり、表によればデューイ)とは関係ない、彼女自身が持って生まれた宿命の問題であって、姫たる条件にはならないんじゃないだろうか。それを「とらわれている」とするならばレントンはたしかに騎士だけれども、その場合の敵対者はデューイというよりも「運命」とかであって、じゃあレントンは運命からエウレカを救出したのかと言うとそうではなくて、一緒に死んでもいいよ!という覚悟を決めて彼女の永遠の孤独を癒してあげたのであって……やっぱり騎士と姫ではないと思うんだよなぁ。
あと、私は比較するならばこれは、ラピュタというよりも漫画版ナウシカなんじゃないかと思う。腐海(スカブコーラル)の持つ意味のゲシュタルトチェンジ、腐海(スカブコーラル)と人類の橋渡しをするための存在である少女ナウシカエウレカ)って点でそう感じただけであって、構造比較のための要素抽出とかしておりませんけれども。
強いてエウレカセブンという物語を騎士と姫の物語の構造にあてはめるなら、表はこうなんじゃなかろうか。


役割 シノハラ説 わたし説 わたし説2
主人公(騎士) レントン エウレカレントン ドミニク
お姫さま エウレカ 人類 アネモネ
協力者 GEKKO STATE GEKKO STATE 軍人
予言者 サクヤ アドロック・サーストン
敵対者 デューイ ?運命、とか? デューイ
アイテム コンパクドライブ ニルバーシュ ジエンド
デウスエクスマキナ ニルバーシュ

だいぶ無理のある表になりました。


まぁでも私はエウレカセブンを「ボーイミーツガールした本来的には結ばれ得ない二人が、結ばれ得ない条件(人類とコーラリアンという種の違い)を本当の意味で克服したときに、人類とスカブコーラルもまた対話をはたしてメデタシメデタシ」という壮大な「話せばわかる!」だと思っているので、これ以上書きようがない。予言者以下は超適当です。
でもって、エウレカセブンにおいて騎士と姫構造にぴったりとあてはまるのは、レントンエウレカではなくてアネモネとドミニクだと思ったのでそれも追記。こっちは間違いなくそうだと思います。お姫さまだっこもしてたしね!

問題はその構造を52話の中の主軸に出来なかったこと。(中略)そういうところが多くの人がエウレカセブンの物語にうまくのめり込め無かった理由だと思う。

私は上記の通りエウレカセブンを騎士と姫の物語とはとらえていないのですけれども、でも「なぜエウレカセブンに夢中になれなかったか」という問いがあるならば、たしかにレントン物語の語り口が下手だったから、というのはあると思います。あれだけ出ずっぱりだったのに最後まで愛せないというのは、枝葉とのバランスとか関わり方とかが悪かったのかもしれません。
でも、シノハラくんが主軸ではないとした部分こそが本当にきちんと丁寧に拾ってあって良かったしエウレカセブンを観られるものにしていた要素だと思う、ので、困ったものですね。
でも、うん、ここまで書いてみてよくわかりました。私がエウレカセブンの面白さがわからないのは、一重に主役であるレントンのことをちっとも好きになれないから。そこに成長を見出せないのに、物語の役割的には成長しているかのように扱われていたから。そして、私の好きなエウレカがなぜかそんな男に惚れているから。です。書けば書くほどにレントンが嫌いだ。エウレカレントンというカップルを祝福できない。なのに物語りはこのカップルを中心に進んで行った。だからだ。


で。デューイに埋め込まれていたアレとか、くだんの限界の解説とかはーーー?


書簡のようにこれへのお返事がきて、もうしばらく皆様とエウレカについて話をできたらイイナ!という願いをこめて、カテゴリー・エウレカ、作成してみました。でも、こういうことを真剣に書くには双方がきちんと作品を理解している必要があって、そうじゃないと議論にもならないわけで、つまり、皆様にはスルーする権利もあります!