『セリヌンティウスの舟』 石持浅海

セリヌンティウスの舟 (カッパノベルス)

セリヌンティウスの舟 (カッパノベルス)

面白かったです。淡々と話し合うばかりの静かなロジックもの。
小瓶が倒れていた、というだけのことからすすめられる推論が「○○への信頼は絶対である」という前提に必ずのっとるところがセリヌンティウス
ただそれがあまりにもあやういものに見えました。うまくいえませんけれどもニッチな推論というか。鋼の糸の上の綱渡りの結果としての推論というか。細いんだけど丈夫、みたいな。「世界は極めて論理的である」という世界の物語でした。ぜんぜんわかりませんね。考えるな、感じろ。
遭難に対する180度違う見方なども面白かったです。