『ねじの回転』恩田陸

ねじの回転 (上) FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)

ねじの回転 (上) FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)

 
ねじの回転―February moment (下) (集英社文庫)

ねじの回転―February moment (下) (集英社文庫)

面白かったー! 未来人が未来を変えるために過去に来るという、それだけでもうアドレナリンがぴゅっぴゅ出ました。説明のされない「その世界内用語」をいきなり濫用してくるのですけれども、すぐになんとなく察しが付くし、理解ができる。うまいなー。
二・二六事件のことを知っていたらきっともっと、日本の近現代史のことを知っていたらもっともっと楽しめたんだろうなーと思うと己の無知っぷりが口惜しいです。でも

石原が東條を殺したときにはさすがの私もゾクっとしましたよ。
ちゃんとそういうふうに歴史に明るくない人も楽しめるような程度の深さで歴史をあつかっている、そのバランス感覚がすごくいい。
入れ子型に入って来るエピソードたちも、その入れる位置、内容ともに私のハートを鷲掴み。途中「これはこういうことなんじゃないの?」という予想をあまりはずさない展開なのですが、そんなことは関係なく読まされてしまう種類の面白さでした。
んでもって、ワクワクしながらページをめくっただけに「恩田はたたみかたが甘い」という巷でよく耳にする説が頭をよぎって違う意味でもドキドキしちゃったのですが。これはたたみかたも上手かったです。やったー!
いやーいいもん読んだ。