『イカロスの誕生日』小川一水
- 作者: 小川一水,大本海図
- 出版社/メーカー: 朝日ソノラマ
- 発売日: 2000/05
- メディア: 文庫
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で、敬遠しがちなラノベなわけなのですけれども、ちょっと予想外でした。展開の壮大さと、そのまとめっぷりが。これを一冊でこじんまりとまとめるって、結構すごいなー。私はもっとありがちな日常レベルの異種交流だと思って読み始めたので中盤の展開あたりからウホウホしました。そっち方向にいくんだーへーという。
人物描写が若干きもいというか、ツンツンした彼(名前わすれた)のツンツンっぷりが「小説的なツンツンキャラ」なのが惜しい感じ。口は悪いけど思いやってくれる系って、割と同じテンプレの中に入ってしまうのはしょうがないことなんだろうかな。(まあ、ツンツンじゃなくてツンデレなことはわかりきったことなんですけれども) そのへん、もっと重厚にしてあるとより私の好みなんですが。でも全体的に無駄のない小説なので、たぶんこのサイズ
感で良かったんだと思います。
オチの そういう時代なのですね。
しかし、キミとボクと世界に辟易している身としては、こういう風呂敷を広げてもらえると気持ちよい。
イカロスは自分勝手で人と協調することが苦手で独立心が強すぎるかもしれない。けれども、それでも、社会の中で「そうあれる位置」を見つけて、きちんと生きるのだ。