腐女子を毛嫌いするアナタへ

同人誌をやっている人ならば、いえ、二次元キャラに対してなんらかの妄想をしたことがある人ならば、誰だっておわかりのはずです。妄想は進めば進むほどに、原作からは乖離していくものだということを。


腐女子というのは関係性に萌えるものなのです。だから、関係性のパターンを単語化(誘い受けとか、お姫様なんちゃらとか)ができるのです。つまり、大好きな関係性がまずあって、とある作品をみていて「ああ、これはなんて私の妄想している関係性にピッタリなの!」と目からキラキラした何かが飛び出てキラキラキラキラーっと夢の妄想が羽ばたいて書き留めておかずにはいられなくなって、同人誌が作られるのです。
けれどもそこには、まず理想の関係性ありきですから、原作に忠実にいけば破綻してくるときもございます。そういう時には、もちろんあっさりと原作の設定を無視するのです。そこには無視しているという意識が存在するかどうかすら微妙です。だって、そもそも理想の関係性ありきなんですから。そこに当てはまるならなんでも良いのですから。ハフハフこの人とこの人でこの関係性を具現化したら萌え萌えだブ〜と大興奮なのですから。だから剣心が妊娠したって、ちっとも変じゃないのです。
剣心が男? だからなんです? 性格破綻? だからなんです? ありとあらゆる原作なんて、妄想を具現化するときに参照するための公式設定資料集でしょう?
もちろん、キャラを関係性にあてはめる過程で「ああ、この人がこのシチュだったらこういう言葉使いするかも! きゃー! やべー! ていうか、そうきたらこの人はこう答えるよね! よね! うっひゃー!」という化学反応を起こすことはよくあることで、設定資料集は大変大事なものです。
そして、さっきは腐女子には単語化があるくらい関係性ありきなんだ、なんて書きましたけれども、それは男性向けだろうと女性向けだろうと結局のところは同じことじゃありませんかと私は言いたいのです。ただ腐女子のほうが、ほんの少しスタートの時点の妄想率が高い(ホモなので)だけの話です。
似た関係性を好む同士がいるから、時代が変わり扱う作品が変わっても同じ作家の同人誌を買い漁るのであり、理想の関係性を描こうとしても描けないから、時代が変わり扱う作品が変わっても書き(描き)続けるのであり、求めているのはつねに自分の脳内にある「理想の関係性」ただ一点であり、その点において男性だろうが女性だろうがホモだろうが百合だろうがふたなりだろうが、違うのは設定資料からのジャンプの距離だけであって、本質的には何も変わらないと私は思うのです*1



<追記>
もちろん、同人誌を一切好まない原作原理主義の方が「腐女子は頭がおかしい! 間違っている!」とお怒りになるのはごもっともだと思います。残念だけど、私とあなたとでは生きている世界が違う。来世でまた会おう!(しーゆーねくすとらいふ!)
あと、別に誰かに怒られたわけでもないのにカレーを作る合間にこんな文章を唐突に書き記している私は永遠に色々なところの底辺を生きていくんだと思います。わーひろーーい。

*1:ですからね。私がキョウと守凪にハァハァしつつもキョウとハヤセにハァハァするが、同時に、ルーシェンはどうでもいい、ということは、何一つ矛盾していないんですよ。