『名もなき毒』宮部みゆき

名もなき毒

名もなき毒

一気に読みました。なんだろうな、宮部みゆきの本には毒がないな、といつも思うのでタイトルがちょっと面白かったです。
すごく面白かったんだけれども、なんだろう。最後1/4が、どうも。なぜなんだろうな。今は頭が眠くて考えられないんだけれど。

たぶん、もう解決しそうなのにまだ本のページ的には1/4残ってて、ということは原田がなにかしでかすわけで、という予測が立つところが退屈に感じられてしまうんだろう、とか。色々なことが、ことに原田たてこもりのあたりが、ご都合主義すぎる、とか。
うーん、違うかな。なんだろうな。人間にだけある毒、とか、そういう着地点が、イラつくのかもしれない。でもみんな哀しくて、悲しくて、人間の弱さみたいなものを認め合っていて、優しくて、なんなんだ。なんなんだよ、くそ。結局、宮部のこの小説世界には解毒可能な毒しかないじゃないか、くそ、くそ。というような気持ち。
これはもしかして、私が単にすさんでいるのかもしれないな、いま。