『魂萌え!』 桐野 夏生
- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/11/28
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面白かったです。旦那に先立たれた59歳の専業主婦に起きる、さまざまなことたち。
タイトルよくないんじゃないか、というのが読了後の感想です。「萌え」がいかんよ「萌え」が。なんかてっきり桐野さん新境地開拓!みたいな、笑いアリ涙アリどろどろアリの浅田次郎+桐野独特の女ドロドロ、みたいなものだと思ったら、全然ちがった。新境地にはちがいないけど、どっちかというと『恍惚の人』に近いよ、こりゃ。
敏子たち4人が、見知ったおばさまたちに重なって、色々考えてしまいました。栄子さんにそっくりな大叔母がいるんですよ……。 真剣な「女の老後」を書いた良い本です。そういうことから目をそらしていたい人は読まないほうが良い。でも、年をとって急に偏屈になったと思う身内がいる人などは読んでみたらいいんじゃないだろうか。
しかし桐野夏生は女のドロっとした部分を書くのが本当にうまいな。それしか書かないとも言うんですけれども。それにしても、この本を「ホワイト桐野」と自ら呼んじゃうってすごい。白いのかよ!これが!(『OUT』よりはなー)