『酔いがさめたら、うちへ帰ろう。』鴨志田穣

酔いがさめたら、うちに帰ろう。

酔いがさめたら、うちに帰ろう。

忙しいので頭に負担のなさそうなものばかり読んでいます。
西原の元旦那の本。西原の漫画の中でしょっちゅう文章が下手だとか書けないとか描いてあったけど、本当に下手だった。下手というか「ああ、ここで進められなくなって時間を置いて書いたんだろうな」とか「ここはあとから付け足したのかな」とか、文章のリズムが唐突におかしくなるから邪推をしてしまう。そういう文章でした。
でも書いてあることは面白かった。入院している人たちの描写を読むだけでも十分。
私小説ということだけれど、どこまでが鴨自身の話なんだろうなぁ。一応巻末に「フィクションです」って書いてあったけれども、体験記のようにしか思えなかった。

創作したとすると、最後の癌告知のところだろうな、と思うんだけれども、読んだ時にはフィクションと思って読んでいなかったので
「えっ」ってすごくショックを受けてしまった。
そして、ここが創作だとしたら、今度は違う意味で鴨が切ない。癌だとわかって、西原が「残りの人生を一緒に過ごそう」と言い出す、そんな結末を私小説に創作したんだとしたら、切な過ぎて苦しいくらい。
で、これ、フィクションなんですよね? ね? そうだよね?