『メイプル・ストリートの家』スティーブン・キング

メイプル・ストリートの家 (文春文庫)

メイプル・ストリートの家 (文春文庫)

ひさびさにキングのホラーを読んだなー。『かわいい子馬』は冗長なばかりで何が面白いのか理解できなかったけど、他は求めていた通りのホラーでした。求めていた、というか、「ああ、そうだーこの夜の闇とか、フと気付いたら通りに自分しかいなかったときに漠然と感じる恐怖を最大限に高めるのがキングのホラーだー」と久々の感触にゾックゾクした。楽しかった。特にお気に入りなのは『クラウチ・エンド』。容赦も理屈もない理不尽な恐怖。これぞホラー。因果応報なんて清廉潔白に生きていれば怖くない。
ちなみに、何度か言っている気がしますけれどもキングのホラーでは『霧』が一番好きだよ派です。


で、残業していて気付いたらまんまとビルに残っている最後の一人だった、という。
やー。何が起きるわけもないとわかっているのに妙に早足になる体験を久々にしました。少しだけ開いた扉の隙間が妙に気になって気づいた瞬間に閉めずにはいられませんでした。エアコンを切った時の風圧で閉まった扉にヒッてなりました。エレベーターが来て扉が開くまで廊下の電気を消せませんでした。
最近は無人のビルで一人仕事するのは安心で自由だよ派だったのでスッカリ忘れていましたが、私は踏み切りを通るときに線路の溝が意志を持って私の足を捉える気がして踏み切りを通れないような、妄想過多タイプの怖がりだったんでした。