『ミミズクと夜の王』紅玉いずき
- 作者: 紅玉いづき,磯野宏夫
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2007/02/10
- メディア: 文庫
- 購入: 17人 クリック: 225回
- この商品を含むブログ (404件) を見る
ひゃくぱーの偏見の下に言いますけれども、電撃でありながら妙な絵をつけなかったところが素晴らしい。どんなに評判がよくても、表紙絵が萌え絵とか漫画絵とかアニメ絵とかとにかくそういう系統の絵だったら私は買いませんでした。そういう偏見を捨ててよかったと思うこともたまにあるということは知っていますし、たまにそういう本でも買いますけれども、いまだにそういう絵の本には抵抗があるダメな人です。
以下、ネタバレ 帯にでかでかと「泣く」と書かれているので、泣いちゃうかなーと構えてしまったのがもったいない。購買意欲に訴えかける力があるからなんだということはよくわかるけど、でも、何も考えずに手にとって、不意打ちをくらうほうが構えて読むより数百倍幸せな読書体験になるのにな、と思うといつももったいないと思ってしまう。
でも書くね。ものすげー泣いてしまった。
単語のチョイスに心を打たれて、とか、ある一文に胸を突かれて、ではなくて、物語の進み具合にというか、流れそのものの持つまっとうな力に泣く。そんな感じでした。これは良い児童文学です。
ところでなんで電撃なんだろうな? 児童文学として出版するよりも遥かに売れるとは思うし、文体的にはラノベ寄りだとは思うのですが。出版側もそのことを意識しているからこの表紙なのかなー?とか邪推したのですが。レーベルは作品そのものには影響しないけど……まぁ、そんなことはいいや。良い物語であることに変わりはない。