『真鶴』川上弘美

真鶴

真鶴

あ! この本は箱から出してからの装丁がいいのに! Amazonめ!!
というわけで、ほぼ装丁買いをした一冊。『センセイの鞄』がすごく好きだったので、いつかまたこの人の本を読みたいと思っていたのですよ。
で、大失敗。ははははは。
数年前に忽然と姿を消してしまった夫のことを思い続ける主人公が、娘と恋人と「ついてくるもの」と過ごすうちに……という物語なんですけれども。
なんだかものすごーーーーーく気持ち悪かった。この気持ち悪さはちょっと言語化できないので困ります。強いて言うならば、セックスをセックスとして描かない気持ち悪さ。になるのかなぁ。だったらセックスを描かなければいいのに、と思ってしまうのですよね。でも物語として、セックスをするということは重要な意味をもっていて、描かないわけにいかないのもすごくよくわかる。困る。
全体的に、すごく上品なタッチで淡々と描かれているのに、それが気持ち悪かった。汚いとか、黒いドロドロとしたような気持ちの悪さではなくて、白くてヌラっとした気持ちの悪さでした。って伝わらない。
あとは、あれです。行間なの。行間をお読みなさいませって声が聞こえるの。で、その声をきいて私は「え、私が埋めるんですか?」って感じるの。そういう気持ちの悪さ。って伝わらない。
うーんうーん。女の情念の文学的表現っぷりが私には気持ち悪くしかみえなかった、ということになるのかな。
あれ今書いていてひょっとしてアニメ脳だからかしらという疑念が。まさかねー。