『イニシエーションラブ』乾くるみ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

こんな女ぜってーおかしい!ありえねー!ファンタジーが過ぎる!から、きっと、裏がある!それがSideB!と思いながらSideAを読んでいたのにSideBになっても彼女視点じゃなくて驚愕。セックス描写が丁寧で吃驚。え?え?そんなにも微に入り細に入り語ってくれなくてもいいですよ?って本気で思った。
面白かったです。たしかにこれは読み終わった人とアレコレ話したい。

私は全然メイントリックに気付いていなかったので、最後のほうの2ページくらい「ん?んん?」と思ってラスト1行で「なんだってーーーーー?!」って慌ててページを戻って色々確認する、という、たぶんいちばんこの本を堪能できている読み方をできました。よくある「驚愕のラスト1行」って言葉には、往々にしてガッカリさせられるのだけれど、これは私としては久々に驚愕のラスト1行でした。満足。
あと、上に書いてあった「丁寧すぎるセックス描写」に女の演技っぷりという意味がちゃんと与えられているところとかも私的には嬉しかったです。
で、読み終わってから「そもそもドラマが始まるからって会う曜日を変えるあたりからしておかしいと思ってたのよー」「そもそもあの女には不自然なところが多すぎたのよー」と色々「わかってたのヨ」話をしたりできて、これまた楽しい。
身近な人と順番に読んで、読み終わってから大竹しのぶの天才女優っぷりとかについて語り合ったりすると良いと思います。
面白かった。