『ブラックダリア』ジェームス・エルロイ

ブラック・ダリア (文春文庫)

ブラック・ダリア (文春文庫)

面白かったです。実際の事件をモデルにしてることを知らなかったムッチーな私。しかし知らなくても十分楽しい読書時間でした。最後のほうとか、見届けないことには本を閉じることができねーという状態になった。ひさびさ。もう、それまで皆無にみえたパズルたちがつながりはじめて以降が楽しくて楽しくて。
たいていの本では、パズルがつながり始めるとあとはもう収束にむかうだけで白けてゆくのにね! たたみかけるって、こういうことさ。


疑似家庭を描くリー、ケイ、バッキーの3人が歪すぎて感情的には色々とついてゆけず。バッキーが「そのまま目を瞑ってケイと生きていけば平穏で幸せになれたものを、自分の人生すらも顧みずにブラックダリア事件にのめり込んで行く」というのは、狂気でもあるけれども、でも、とてもまっとうなことのようにも思える。(それなのに、最終的にそこに帰着するのかよーということはものすごい狂気)
映画版で観たらそのへんの違和感は解決できるような気もします。誰かの解釈を通さないと消化できない感。
まぁ、なにはともあれ、パードレです。ラス・ミラードです。はぁはぁ。ヴォーゲル父子のあたりとか、ラス・ミラードの清さときたらものすごいオアシスっぷりでした。あと一瞬変なアンテナが反応しかけたのはしょうがない。これはしょうがない。隠れ家的部屋はしょうがない。しかもリーが用意した部屋!!!
色々と面白かったです。LAコンフィデンシャルも小説で読もうかなー。映画版みてイマイチ理解できなかったような記憶が……。はっはっは。