ここはグリーン・ウッド(ドラマ版)

始まった時には、なぜ今更、と不安しかなかったドラマ化なのですが、なんか、すげえすげえ良かった。です。時間帯的にも、空気感的にも、ビジュアル的な微妙さ的にも、てっきりネタとしてしか楽しめないと思ってたんですけど、想像よりもずっとずっと正しい意味で面白かったし良かった。
なんかね、はしばしから原作への愛を感じたんですよ。改変しないようにしよう、しようとしている感じをビシバシと感じ取ったというか。ほのかに香るBL臭の、「ほのかに」っぷりに砕身しているように感じたというか。
瞬を女の子にやらせずに、ちゃんと男の子にやらせた*1あたりからも感じられるんですけれども、「嘘はやらない。でも原作は大事にする」っていうのがこのドラマのスタンスだったんじゃないかなーと思うんですよね。古沢先輩とかも、全員がんばってたと思うなぁ。渡辺と藤掛が夏休みの間ぜんぜん部屋から出てこないって台詞ひとことだけだけど入れてくれてたし。観ながら「ああ、そうなのよ!そうなのよ!!」ってこぶしを握っておりました。(ほいでもって、エピソードはやらないところも偉い。良い選択。同じことはOPにだけ出てくる魔王の森エピソードにも言える)
しかしなんと言っても私がズキューンとされたのは、雨宿りの回。
原作を読んで色々な何かに目覚めた世代の私としては、内容はわかってるしね、昔MAD作ったしね、何が起きるのかも、どうなるのかもわかってるし、正直言って主要キャストの中では忍先輩が頭ひとつ出て不満度高かった(演技的な意味で)ので、あんまり期待してなかったんですけれども。保健室のベッドの上で目覚めた忍先輩が顔を覆うシーンで、原作にはなかった何かが感じられて、それは私自身の加齢という理由もあったかもしれないんだけど、生身の忍だからこそ見せることのできた忍の切なさであり弱さであった、と思うのです。
で、わたくし、夜中に洗濯物たたみつつ号泣。強いて言うならば、この回のEDが、ドラマ版の忍先輩と光流先輩が歌う「雨宿り」なら完璧だったんだけどなあああああ、というかなわない願望もありますが。いやー光流先輩の微妙な女装も良かったし、女の子たちが微妙なビジュアルなところも変にリアルで良かった! 予想外に五十嵐良かった。最終回の「おれ、蓮川が好きなんだ」からの数分間の流れにはぐっときました。原作漫画の五十嵐はものすごくどうでもよかったというか正直スカちゃんなんでこんな女に惚れる……?としか思えなかったので、ドラマ天晴れです。
あと、服装とかの微妙な80年代臭がすごい良かったよね。
「家賃折半して9万以下のところな」
「二人で9万か、せまいな」
があって、
「ほら、早く!」
でちゃんと終わる最終回は、神でした。18年前に寮長だった「岩田さん」の登場もね!

というわけで、大満足。キャラクターミニアルバムも買うよ!

*1:あのビジュアルに耐えかねて脱落したという人も多いようですが