『深海のYrr』
- 作者: フランク・シェッツィング,北川和代
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/04/23
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ある日海で異変が始まる。鯨が人を襲い、ゴカイが異常発生し、海流が止まり、メタンハイドレートの上の氷が溶けて大陸棚が崩壊する。さて人類は、みたいなお話。もちろん本筋は「さて人類は」の部分です。コンパクトにまとめてハリウッドで映画化しそうな感じ。でもアメリカを巨悪扱いしているからないかな! 映画『コンタクト』のジョディ・フォスターのモデルになった、という設定の女性の役をジョディ・フォスターが演じて映画化したら面白いのに。
若干ネタバレすると、
色々な災害たちの原因は、地球に太古から存在していた単細胞生物が独自の発達の仕方で人類とはまったく違う種類の発展の仕方をしていて、陸上の支配者は人類だけど海中の支配者は彼らで、その彼らが人が害虫を駆除するように人類は邪魔だから駆逐しましょうかねって決めたから、なんですけれども。エイリアンは地球に既にいたんだ!というのはとてもとてもハァハァしますね! しかもそいつら、種としての記憶を地球に種として生誕したその瞬間から蓄え続けて持ってるんですよ。その設定だけでも読めてしまいます。そんなの相手にどうすればいいの!
個人的な思い入れは誰にも抱かなかったのですが、その興味一点で読了できました。強いて言うならピークが好き。 そういえば昔、金星は熱すぎて生物が住めませんって教えられたときに、熱くても平気な生き物とか、生存の定義が違う生き物がいるんじゃないのかなー???って不思議に思ったことを思い出しました。それは私たちが生物とは認識できないから存在していても意味がないのかなー???とか。子どもの頃は疑問に思っていたものでした。大人になってもそういうことをウネウネ考えているとこういう小説が書けるんだな、きっと。
あと、日本が捕鯨をしているって何度も何度も批判的に書かれているのをみて若干カチーンときたので、アラアラ私ったら、と思いましたよ。別にクジラ肉に思い入れないのにね!