『告白』

告白

告白

おおお。面白かった。特に、一章だけを取り出しても一本の短編として十分に楽しめる前半が面白かったです。ミステリーというよりはエンターテイメント小説という感じ。
各章が、プールで事故死した幼女をめぐる各関係者(母親、犯人、犯人のクラスメイト、家族etc)の告白という形式。個人的な好みを言えば、犯人の告白はあまり好きじゃないのですが、この小説の場合には不可欠なので全然気になりませんでした。
以下ネタバレ

実は血液が入ってなかったんだということが判明→先生にクラスの現状を訴える少女→実は熱血先生が入れ替えていたのであった!→実は新担任すらも操られていたのであった!という流れの、前半は面白かったけど、後半部分はちょっと無理を感じたかなぁ。そんな都合の良いーと思ってしまう。
色々な立場の人たちを、各々の視点、各々の考え方で告白させていくのは本当にうまくて面白かったです。犯人はどっちもマザコンなのね!
デビュー作で、特殊な構成の小説。ほんと、2作目に注目!ですね。次になにをどう書くのか楽しみです。