めちゃモテ委員長がめちゃおもしろい件

世のネタアニメスキーたちのアンテナは敏感ですので、多分、世の中にはこのアニメをネタアニメとして評価している方が少なからずいらっしゃるんじゃないかと思います。
私も最初にこの番組を気に入ったのは、へっぽこなCG、棒、ご都合主義では済まされない展開の脚本、などなどが、あまりにもネタアニメとして秀逸だったからでした。中でも、素っ頓狂な本編を観た後でのEDの合いの手「ベイベ チェケラッチョ カモン ア ア」はほぼ1クール聴き続けて耳がなれたはずの今も、聴くと顔がうっすら微笑むくらい愉快de最高!!*1
ネタアニメを愛するhentaiの皆様で、まだめちゃモテを観たことがない方は、是非とも次回からで良いから観てください。土曜日の朝やってます。




でも今日私が言いたいことは、このアニメ、思春期女子の物語としてまっとうな意味で、本当に素敵で面白い、ということ!
私がこのアニメを好きなのは [これはひどい]的な意味じゃなくて(それも含まれてはいるけれど)、女子として生きて行く上で(それに熱心になるにしろ無関心になるにしろ)絶対に無視して生きることはできない「オシャレ」をテーマに想像以上に誠実に物語を作っているから。しゅごキャラも良いけど、めちゃモテ委員長もすごく良いんだよ!
というわけで、必要以上に長文でめちゃモテ委員長を語りたいと思います。




委員長は女子の魂を救う

私が一番感動して、ぐっときた話がこちら。
第07話 「ジミ子から…ジミモテ子に変身ですわっ」



内容はこんな感じ。

ある日、生徒会長の間中さんが、色付リップ禁止等の「おしゃれ禁止」校則を生徒会長権限で決めてしまう。髪型はオカッパのみ。スカートの丈は膝下15センチ、靴下は白の三つ折! 当然反発する女子たち。しかし、間中さんはかたくなにオシャレを不要なものと主張する。抗議にいった委員長に対して、委員長の先導でオシャレに夢中な2年6組は程度が低い、と断じる間中さん。いきりたつ委員長に対して、3日で「オシャレって楽しい」と思わせることができたら校則を撤回する!という勝負を挑む。
その勝負のさなか、中学時代の同級生から「昔はあの子も普通にオシャレをする子だったんだよ……」という話を聞く委員長。修学旅行で気合い入れてオシャレをしてきた間中さんのことを男子が「ジミ子がヒラミニかよ!似合わねー」とからかったのがきっかけで、オシャレをしなくなり、しかも、そのからかった男子集団の中には、彼女が片思いをしていた男の子も含まれていたことを知る。
「乙女の一生懸命のオシャレを笑うなんて、この私が許しませんわっ!」
彼らに謝罪をさせようとからかった男子たちを探すものの、当の片思いの相手は名古屋に引っ越していることが判明。委員長は、せめて間中さんにオシャレをする楽しさを思い出してもらおうと強引に眼鏡をはずし、眉毛を整え、まつげをカールさせ、髪形を整え、修学旅行の時に着ていたような可愛いヒラミニをはかせ、「ほら!」と鏡の前に立たせる。


さあ。ここからが、このアニメのすごいところ。
オシャレをした間中さんは、可愛くなってないのです。うん、まあ、これくらいの変化だよね……残念だけど……。という程度の変化。
けれど、委員長も、一緒にいるりかっちたちも「可愛い!」と絶賛し、間中さんもまんざらではない表情で「これが…わたし……」となりかけます。なりかけて、止まってしまう。耳に、自分をあざ笑った男子たちの声が蘇って。
やっぱりオシャレなんてくだらない!そう叫ぶ間中さんに、委員長は言います。

「オシャレが嫌いなんて、嘘ですわっ 会長さんは、オシャレが嫌いなんじゃなくて、怖いんじゃないですか?」

オシャレが怖いという感覚、これこそが、この話の肝です。



図星をさされ廊下へと駆け出す間中さん。
そこに、片思いをしていた彼を、MM3(めちゃめちゃモテてる3人組)がつれてきます。そしてその彼が、彼女に告げるのです。

「オレ、いつも間中のこと、みてた。修学旅行のときも、いつもと違う間中に照れくさくて」
「ごめんな」
「あのときも、いまも、……すげえ似合ってる」

翌日、間中さんは校則を撤廃はするものの、髪型以外を元にもどし今まで通りの姿で登校して、お話は終わります。



この話、もしかしたらあまり印象的ではないかもしれません。超脚本的には、名古屋に引っ越したはずの片思いの彼をなぜかMM3が都合よく連れてくるくらいで、たいしたことが起きません。



しかし、私は本当に心打たれたのです。
まず第一に、委員長が「乙女の一生懸命を笑うなんて許せない」と怒ってくれることに。第二に、その怒りは、乙女のオシャレへの恐怖の上に成り立っているんだ、ということをちゃんと言ってくれることに。そして第三に、多少のオシャレをしても変化しない、という現実をみせつつ、転校したはずの彼がわざわざ訪ねてきて謝ってくれる、という非現実的な「救済」をみせてくれることに。

現実には「あの時笑ってごめんな」って言ってくれる男子なんて、どこにもいません。それは誰だってわかってる。でも、間中さんには謝ってくれたんです。間中さんがオシャレで可愛くなったから男子の見る目が変わったんじゃなくて、そのままの間中さんに、ちゃんと謝ってくれた。
間中さんに仮託された、オシャレ恐怖症の女の子たちは、あの瞬間、救済されたんです。
委員長は、オシャレ至上主義の現実の前に、萎縮することないんだよって、手を差し伸べてくれている。


こんな素敵なアニメ、ちょっとないって思いません? 私は思う!


一番言いたかったことはここかもな!

他にも良いところはいっぱいあります。ずばっと簡潔に魅力を伝えられない自分が本当に憎い。
例えば、委員長の強さ。絶賛片思い中のお相手、東條くんと幼馴染の関係を誤解して「すなおになりたい、あの子とかわりたい」になってひとしきり視聴者(おれおれ)を泣かせた後、誤解だってわかる前に、全てを受け入れようって自力で立ち直る強さ。
誤解だってわかって「なぁんだ」って元気になる話はいっぱいあるけど、先に自力で受け入れるって、レアだと思いませんか。委員長は本当にいいこ! エリンと張る!
あとね、これだけは書きたい。最重要人物、西崎青。超絶素敵棒。
彼は 絶 対 に ホ モ !
しかもその恋心に本人が気付いていない系だって、ずっと思ってるんです私!!!
委員長のことを好きになったかのように本人すら誤解してましたけど、青が委員長のことを「興味深い」って思ったのは、委員長が東條くんとかかわろうとしていたからなんだと思うんです。だって、委員長のことを「好き」なようには見えなかった! 一方、東條くんのことは間違いなく大好きだしすっげー詳しいし。常にみてるし。謎の理解力だし。女嫌いだし。私は腐女子視点を日頃は持たないほうなんですけど、その私の目にも彼はどうみてもホモです。しかもBL的な何かではなくて、本物! 委員長と東條くんのデートに押しかけて邪魔したものの、雨の中1人でそっと傘を差して去ったあの姿! あれが何かを押し殺したホモではないというなら、一体なに!?

嗚呼、観てください! そこの腐っているあなたも、第8&9話「まさかの恋のトライアングルですわっ」前後編を観てください!!!*2

キリがなくなってきた

本当に書き始めるとキリがないくらい魅力的なアニメなんだってこと、少しでも伝わったでしょうか。この3倍くらいの分量を書いて、あまりの長さにばっさりと削除した私の情熱、伝わったでしょうか。
次週予告で噂の西崎青くんが女の子とひと悶着あるようなので、ハァハァが止まりません。みんなも観てみると良いですよ。普通に、毎週起きる事件もおもしろいから!

*1:でもEDが心に染みて涙ぐむ、そんな日もある

*2:そしてできれば二次創作をして……私に胸キュン西崎片思い物語(ほも)を読ませてください……ほぼひゃくぱー夏コミいってもそんな本ない……。