少女単体 シークレットライブ 料理教室

少女単体公式ページhttp://www.syojotantai.com/

http://www.syojotantai.com/kikaku.html より抜粋
(…しておりましたが、著作元からのご指摘により、削除させていただきいました。当該サイトは無断引用を禁止してらっしゃいました。大変申し訳ありません(2006.06.20))

別段申し込んでいないのですが、とある事情(後述いたします)で行って参りました。公式ページで告知されているけれども「シークレットライブ」なお料理教室。

少女単体とは

公式サイトのABOUTより抜粋

(こちらも上記と同じ理由により削除させていただきます。読みたい方は
http://www.syojotantai.com/about.html
をご覧ください。(2006.06.20))

ということなのですが。
NNNドキュメント’05(日本テレビ)のニート特集に、前衛的な一人芝居をするニートというような感じで取り上げられた(私もこれ観ておりました)
・のちに、プロダクションに所属していることや、銭形金太郎テレビ朝日)に貧乏劇団員として出演した経歴があることが判明
・なんやねん!
ということでネット上では有名なようです。
ちなみに、彼女がこれまでにやってきた舞台というのは、その番組やネットでみれる情報から推測するに
・二時間ただ泣き続けるのを見せる(客が切れて金を返せとせまった)
・何もしない
・半裸のポスターでエロ釣り。(期待するほどにはエロくないし、エロいとは思ってもみなかった人にはエロすぎる。らしい)
・客いじりをした末に客を不快にするのが上手
という感じみたいです。
このへんの詳細は
http://www1.atwiki.jp/ayatan/pages/1.html
http://makimo.to/2ch/hobby5_drama/1104/1104688329.html
あたりをざざっとご覧になれば、なんとなくつかめるのじゃないかと思います。

今回私が観にいくことになったきっかけ

ニゴさん(id:nigo)が、少女単体に軽く言及なさいまして(本題はポツドールにあったのですが)(http://d.hatena.ne.jp/nigo/20050514#p1)。そのさいに、トラックバックを関係サイトに送ったところ、先方から招待メールが来たとのこと。
ところがニゴさんは蝦夷地にいらっしゃるため、行かれません。「どなたか替わりに!」ということで私が挙手させていただいたのでした。

(以下、ご招待の内容が引用されていたのですが、上記と同様に削除させていただきました(2006.06.20))

で、どうだったのよ

まず、開演の17:15に間に合いませんでした。これは私が全面的に悪かった(当たり前だ)。思いっきり就業時間じゃありませんか。あのね、言い訳しますとね、「芝居が通常始まる時間」という先入観で、19:15開演と勘違いしてしまったんですよ。
というわけで、劇場に到着したのが18:15くらいだったでしょうか。
遅刻しながら、実は緊張していました。罵倒されたらどうしようー。料理作れとかいう流れになったらどうしようーー。苅谷こわいよ苅谷。


到着してみると、コの字型に並べられた会議用テーブル。そこに、お客さんらしき人々が座って折り紙を折ったり切ったりしております。コの字の中心には、椅子がニ脚。四隅にテレビモニタがあって、なにやら喫茶店の店内らしき様子がモニターされています。
予想していたこととは言え、料理してねーーーーーーーー!!!
誰も何も説明してくれないのですが、まぁそんなもんだろうと思い、とりあえず出してくれたパイプ椅子におとなしく座って観察。そこかしこに「T田くん」と書かれた男の人のモノクロコピー写真が貼られています。
とりあえず別にナニをするでもなくモニタを観ながら来ている人たちを観察。しようと思ったら、親切な隣の席の人が、どうなっているのか教えてくれました。
その方によると、どうやら来年の1月公演にむけて、昨年の12月だかなんだかにワークショップで選んだ共演者の男性が「辞める」と言い出したので、それを説得したいとのこと。今、上(会場は地下にあるスタジオで、その一階には喫茶店があるのでした)で話していることをモニターしていて、苅谷がなんとかその男をここに連れ込んでくるから、皆で彼をやる気にさせる手伝いをしてほしい、ということらしいのです。
無料でなんか見せてやろうってんだから、お前らも手伝えよな!だそうで。
へー。
別段そんなことをしてやる義理はないので、何もせずにモニターに見入るわたくし。
あ、本当になんか説得しようとしている。
つーか、他のお客さんがみんな素直に折り紙でなにやら折ったりなんだりかんだりしているのがすごい不思議だ。一人だけ何もしてないお客さん発見。ちなみに全部で私を入れて11人でした。へー。なるほど!なるほどね!!!そりゃニゴさんにメール出すっつう話です。
ちなみに、一人サラリーマンっぽい外見の方が、今日の主旨を聞いて帰ったそうです。


で、待つ。待つ待つ待つ。やることがないので、モニターをボケっと眺めているのですが、なんていうか、こう、どうでもいいいいいいいいいいいい。その男が辞めようが続けようが知ったこっちゃありません
でも、ま、これを見世物としてどう落とし前つけるのかは見届けたい。
しかし、それにしても、彼はこの隠し撮りのことを知らないご様子。苅谷はマイクかなんかを仕込んでいるらしく音声が聞こえてきますが、彼の喋っていることは一切聞えません。


そしてまた待つ待つ待つ。結局、私が到着してから一時間くらいは待ったでしょうか。
頑として首をたてには振らない男。ぐだぐだぐだぐだぐだとどうでもいい気持ち悪い主張を繰り返す女(苅谷)。
「そっかーダメかー。どうしようもないかぁ。そこで続けるって言わないからこそのT田くんなんだよね。だからこそ、続けたいんだよ」
とかなんとか。でも、どうにもなりません。ついに、苅谷が「行こうか」と立ち上がりました。どーやってその、帰る気まんまんの男をここに連れてくるんだーと思っていたら。苅谷のマイクから声が!
「誰かあがってきて!」
で、ダダダダダーっとスタッフだか客だかわからない数名が上へ。そして、T田くん確保ーという感じで連れてまいりました。わー拉致。拉致ったわ、この人たち


かくて、待ちに待った主役の登場です。謎の拍手と鳴り響くクラッカー。本気かー。この客たちー。


コの字型の中心に置かれた席に、苅谷とT田くんが座りました。

つづき。長すぎて死にそう。アニメ観る時間が!!!!

おもむろに、さっきまで喫茶店をモニターしていたテレビたちに、なにやら映像がうつり始めました。この人たちは、どうやら1月の公演にむけて一年かけて稽古しつつ、お互いを映像に撮りあって記録してきているようです。なるほど。

映像の内容

場面は、どこかの地下鉄の駅。T田くんが、なにやら言っています。いわく、もう辞めたい。それに対して、カメラを回しているらしき苅谷の声で「なんで?逃げるの?」云々。画面切り替わりまして、二人の出会い。また切り替わって、辞める云々でもめる二人。もう帰るからついてくんな!byT田くん 追う苅谷。「逃げるのかー!ばかー!もう知らない!!」また画面切り替わって、二人が初めて共演しようと決めたらしき時の画像。そこでなんとT田くんえらいことを言ってました。
「自分は絶対に逃げない」「(稽古は稽古というよりも9割喧嘩になると思うと言われて)望むところです」「自分も逃げられたことがあるんで、そういうことだけはしません」
なんか、こう、鬼の首をとられちゃいましたーっていう感じたっぷりの編集です。で、また画面切り替わって、やめたい云々の押し問答。
「絶対に逃げないって言ったじゃん!うそつき!」「それは、結婚する時に「末永く幸せにします」って言ってても離婚しちゃうようなもんだろ?」「全然ちがうよ」だらだらだらだら。
そこからまた切り替わって、うまくやっていた頃の二人。幸せそうに寄り添っちゃったりなんかしています。「私のこと、好き?」「そりゃ、好き?って聞かれたらそう答えざるをえないでしょう」ひゃ、ひゃーーー!なにその会話ーーーー!私いま、何みせられてるのーーーーー!!
思わず、中央の二人を見ずにはいられません。時折爆笑する苅谷。苦虫を噛み潰しっぱなしの表情のT田くん。ははははは。そりゃーなー!ていうか、苅谷の笑い声が不快でなりません。

つまりは、すべて苅谷のためだ

映像の内容は若干違っているかもしれませんが、まあ大体こんな感じでした。
「辞めたいと主張するこわばった顔のT田くん」⇔「始めた当初や、うまくいってた頃の明るい顔のT田くん」というコントラストは見事でした。ひでー。すごい見世物みせられてしまった。
つまりは、T田くんは、苅谷に個人的な感情を持ってしまったんでしょうね。そして何かがあって、どこまでが作品なんだか、どこまでがリアルなんだか、全部が虚構だったんだか、信用できなくなった、と。で、それに対して苅谷は言い放つわけですよ。
「カメラがまわっている時の私は常にオンの状態だ」と。「個人的感情なんてどうだっていいんだよ。作品が走り出した以上は、走りきれって言ってるの」
で、もう、完全な平行線。個人的感情だろうがなんだろうが、とにかく辞めたい、もうやってらんない、という意志を曲げないT田くんと、何がなんでも辞めさせないという苅谷と。
で、来ている客にむかって、今までをふまえて、ドタキャンに対してどう思うか、とか一人づつ言わせ始めたりなんだりかんだり。(ドタキャンはいけないと思いマースという意見が数人から出て、どひゃーってひっくり返りそうになりました)
心情的に、T田くんの気持ちはよくわかります。当たり前だーにゃ。
ほいでもって、苅谷の主張は「わかっててやってきてるんだよ」に尽きる。何せ映像の途中に「もー私つらい」「何もかも懺悔したい」とかなんとか、携帯にむかって喋っている映像がある。すっごい下手クソな演技だ。それ絶対に、携帯の話し相手いないだろ?この映像に入れるために一人芝居して自分撮りしたんだろ?という。
苅谷が撮りたかったのは、本当に恋をして敗れる男であり、そのための擬似恋であり、なにもかも最初から計算でしたよーと、そう思わせるためのカット。でも、カメラがまわっていないところでの私は本物よ、とか言ってみたり全部虚構と匂わせてみたり。
なにもかもが仕込みでした。それを受け入れて、乗り越えて、その先にある芝居をしよう!というのが、表向きの主張。そしてそのために、「ここでT田が降りたらこの作品が終われない」という主張を繰り返す。カメラの前で
某スレの「苅谷がやっているのは後だしジャンケン」という言葉が本当にぴったりです。

苅谷語録

「クリエイターとして途中で逃げるなんて恥ずかしくないの?」
「あんたじゃなくちゃダメなのよ」
「法廷っていう舞台で続きをやる?これだけのことをやってきておいて、国家権力のもとで続きをする?(ジョークらしいです)」
「最初からだましあいなんだよ」
「逆に私をだましかえしたりギャグにしたりするくらい頭が良くないと私の相手はつとまらない」
「でもできないからT田くんなんだよね」
「こういうジョークが通じないところがT田なんだよねー」
「あんたお笑いをわかってない」
「(二人に恋愛関係はあったんですか?という問いに答えて)ヒミツです」
「終わらせるためにこうして金かけて今日のこの舞台をお膳立てしてる(という主旨のこと)」
「逃げるなんて、絶対に認めない。あんたが続けなかったら、この作品終われない」
「途中で逃げられるなんて思うなよ。あんたドキュメンタリー舐めんな」
「(ここでT田くんが逃げるということこそがドキュメンタリーなんじゃないの?という私の問いに答えて)ここで認めないってことこそがドキュメンタリーなんだよ!」
「そういうT田とだからやりたいんだよ」
「役者だったら、作品を始めたからには、途中で逃げるってことも含めてオチをつけろ」
「お客さんのこと考えたことあるの?」
「タクシーで私をお持ち帰りしたT田くん」
「私ね、T田のことが、目に入れても痛くないくらい好きなの」

そして舞台は終わる

スタジオを借りているのは20:00まで。刻一刻とせまってまいります。でも主張は平行線。辞めたきゃー辞めりゃーいいじゃん。今回のコレでオチだってついたことになるっしょ。と激しくどうでもいいと思っているワタクシ。どうするんだかなーと思いながら眺めておりました。辞めたいなら辞めればいいんじゃないすかね?とか言っちゃった!
それにしても、苅谷が「個人的感情なんてどうでもいいんだよ」とか「タクシーでお持ち帰り」云々言うたびにT田くんの表情とか目が可哀想なことになっています。あーあー。
いよいよ時間。以前の公演同様に、時間とともに突然暗転いたしまして、扉が開かれました。わーこのまま放り出されるのかーと思いきや。「明転してください。ドア閉めて」の苅谷の声。
まだ続けるのかー。どうでもいいーでも見届けたいー。
だらだらと続く平行線の話し合い。つか、一方的に苅谷が自分酔いした言葉を吐き出しているのを、苦虫噛み潰しっぱなしのT田くんが見つめている状態。「いや無理ですから」ぐらいしか言いません。そこでおもむろに
「じゃ、裁判しましょうか。お客さんに決めてもらおう。1月の芝居のT田を見たいと思う人は、こっち。そう思わない人はこっち」
心底から、 知 る か よ !! と思ったのですが、私が座っていたのは「観たいと思わない」側。うーん。正直、辞めりゃーいいと思うけど、この状態をふまえて1月に彼が舞台に立つっつーことになったら、そりゃ観たい。ので、移動。
そしたら。あら。やめればー?とか発言していた私がそっち側にいったんで、みなさんちょっと目が点に。もしかして、今日一番ドラマチックなことしちゃいましたか?どっちの料理ショーで裏切る役やっちゃいましたか?というわけで、全員が「観たい」側へ。
いやー、T田くん、あなた何年芝居をしていて、この先どうするか知らないけど、観たいと思われる率100%になることなんて、今日この時ぐらいっきゃないよ?いい体験したね。
でも、まあ、別にだからといってT田くんの気持ちが変わるわけもなく。やりません、無理ですの一本調子。そしてまただらだらだらだらだらとした話し合いへ。
もう、知 る か よ 以外の言葉が浮かびません。もーーー。なんなのーー。この平行線っぷりが見世物なんでしょ?もういいっしょ?スタッフはいつでも撤収できるように機材を片付け始めています。どうでもいいいいいい。もーーーーー。で、最後は
「T田くんと二人で話したい。お客さん帰して」
という苅谷の一言でEND。他にどうにもしようがないもんな!

感想

うん、まあ、なんていうか、つまらなくはなかったですよ。人の痴話喧嘩を見せてもらった感というか。一人がやめたいと強固に主張している、自分と無関係なユニットの説得現場に立ち会わせるなんて機会は、そうそうないでしょうという意味で。
苅谷の、現実とリアルとドキュメントみたいなことにはビタイチ興味がもてませんが。なんつうか、「わかってるんだよ」を言い訳にする典型的な主張をみれたし、うん。非建設的って、こういうことね。こういうのを読んでも「建設的なことなんてしたかねーよ」と主張するんだと思います。それが苅谷クオリティー
T田くんが自殺をするとか、苅谷を刃物で刺すとか、苅谷が刃物で刺すとか、そういう展開を希望です。もちろん、T田くんが1月の公演に出るとなったら観にいきます。どんな顔してやるのか、ぜひ見届けたい。
と思ってる時点でまんまとやられてるんですかね…。

ということでひとます終わり

ひとまず、じゃねーーー。なげーーー。こんなに長い文章を書いたのは卒論以来じゃないでしょうか。少女単体に時間とお金を費やしたくはないけれど、何が起きたのか知りたいアナタのために、できる限り克明に書いてみました。書いてみましたよ!!!
ではこれから、思う存分アニメを観ます。

面白かったことメモ

・ドタキャンについてどう思うかスタッフ含め全員に聞いていた時に、スタッフの一人が「自分はなぜポツドール大阪公演の制作スタッフをドタキャンしたか」自分語りを始めた
・最終的に「そんな自分が言うのもなんですが、ドタキャンはよくないと思います」という結論