「宇宙戦争」

観てまいりました。映画は「観よう」と決めたら一切の予備知識を遮断するタイプなので、駅に貼ってあるポスター以上の情報はナシという状態でいってまいりました。予想としては、アルマゲドンだと思っていってまいりました。
うん、ちがった。
正直申し上げまして、舐めておりました。面白かったです。前半はすごくいいパニック映画だったと思います。思わず「自分がこの状況に置かれたら…」ということを真剣に考えてしまうほどに。
後半は、まぁなんていうか、映画的ご都合主義がはびこっておりますけれども、でもそれでも私は満足です。最後に近づけば近づくほどグダグダ度があがる、というのは映画としてダメといえばダメなのですが、前半の面白さで相殺と断言できます。むしろ、トム様映画としては素晴らしいほうだと思います。どうせトム様が活躍するんだろーと思っている人は観にいくといい。


まず、子どもたちが結局最後まで父親であるレイに完全にはなつかないところがすばらしい。レイチェルとか、あきらかに頼っているのはお兄ちゃんのほうなのね。お兄ちゃんがいなくなったら父親を頼っておりましたけれども。でもなんていうか、親子のお約束的な絆描写とかがないところが素晴らしいと思いました。
レイチェル役の女の子の演技も素晴らしかったです。あのヒステリーとか、すごい。ああ、おねがい、静かにして。静かにして。しーしー(ハグ)ってしてあげたくなった。*1あれ、描写はされていなかったけど、ロビーが対処方法をちゃんと「方法」としてわきまえているみたいだったし、ヒステリー症みたいなものを患っている設定なんじゃないかと邪推しました。しかも後半ではそのレイチェルが悲鳴をあげることもせずに目を見開いているだけになっていくんだよ…。・゜・(ノд`)・゜・。 悲痛でみていられなかった。あんな小さな子がこんな目にあうなんて…。
でも10歳児をずっとだっこして走れるパパはさすがは肉体労働者というか。すごいね。肉体労働者であることは生かされているけれども冒頭のクレーンを操るのがうまいというトムの設定が本編にまったく生かされないことが素晴らしい。あの冒頭で「あーやっぱりアルマゲドン」と思いました。そして最後の最後まで、いつアルマゲるか、いつアルマゲるか、と思っておりました。そしたら待っても待ってもアルマゲらねーでやんの!(だがそこがいい)
地下から何かでてくるーというあのシーンで、みんな逃げたのにもどって集まって眺めちゃったりするところがリアルだなーと思いました。やばい?やばい?って思いつつも、きっと見ちゃうよね。あのへんのシーンはみんなよくできていたと思います。竜巻に最初ははしゃいじゃうレイも良かった。
人が戦って勝つわけがねーーーという絶望的な中で「どうやってこの映画を終わらせるのかしら」と思っていたらナルホドなことに。ずこーでもある部分なのでしょうが、なんていうか、下手にトムが超人的活躍をみせるよりはずっといい結末だと思いました。さきほども書きましたが、クレーンの手腕なんて、関係ないのですよ。そこがいいのですよ。あ、でも、これはむしろH.G.ウェルズの偉大なところなのかな。
とはいえ、手榴弾数個で倒すわけですが。米軍がシールドとけた機体にあんだけ攻撃して倒しているのに主人公は手榴弾いっこって、どんだけ内部が弱いんですか。外殻はガンダニウム合金で作られているけど中身は障子紙ですか。
とかいうのは、まあ、このテの映画のお約束なのでヨシとします。
途中「おーいここだー」とか言って自室の地下室に招きいれた人は、どうみてもロリコン。レイチェル目当て。私にはそうとしか思えなかったので、トムがレイチェルから離れるたびに「レイチェルだっこしとけ!」と思いました。酒も飲んじゃだめだー。だめだー。実際にはちょっと狂っているだけでしたが。つか、あの焼け野原でなんであそこd(ry
敵(宇宙人)が変な器官でこちらの様子をさぐっていて見つからないようにドキドキというのは、エイリアンのリプリーの目の前にくるあのシーンにかなうものはないな。つか、長すぎ。でもあそこで、レイが彼を殺すというのは良かったです。娘のために息子の手を離し、人を殺し、戦うことを選択せずにひたすらに生き残り逃げ延びることだけを考える父親というヒーローのありかたはすごくいい。
ボストンの祖父母があまりにこぎれいに待っているのでびびりました。ボストンは無傷なのか。そのわりには通りは無人です。ぽつんとたたずむレイ」と、「家の玄関から見つめるメリーアンの家族&メリーアンに抱きつくレイチェル」という対比は、ダメ親父が大活躍することで一目置かれるようになってハッピー!という安易な結末になってなくてなかなかスゴイと感じました。どんなに大変な目にあっていようとも、どんなに命がけで娘と息子を守っていようとも、メリーアンの家族にはそんなことは関係ないのだ。娘が生まれたときから持っているアレルギーを知らず、息子とキャッチボールも満足にできないダメ人間なのだ。(そういったシビアな視線は随所に感じられる映画でした)
ていうか、私がトムならあんなに身奇麗にした人たちに出迎えられたら殺意を抱くと思いました。それは理不尽なものとわかってはいても、自分があれだけ死線を乗り越えてきたというのに、ココの人たちはこんなにも平和そうに待っていたのかーと思ったら耐えられない。
まあ、あれです。ロビーが生きていたというのはいらない。でもそれだけがレイにとっての救いとして必要なんだろうなぁ。
泳いでハドソン川を渡りきれる体力って、どんだけなんだ。
米軍っつうのは、こんな極限状態でもちゃんと軍隊として機能できるものなのか。と、思わず本気で感心しかけました。アブネー。息子が端的に憧れてみせてますけれども、これがアメリカの精神的な強さといいますか。自国の軍隊に誇りを持ってるんだろうなーーーと。戦って守るんだ!みたいな。軍隊=かっこいい、という描写があまりにも激しいのでさすがだなぁと思いました。
いろいろ不満点はありますけれども、基本的には大満足です。ていうか、こうしてつらつらと書いていたらかなりの絶賛になってしまいました。映画館で観たことを微塵も後悔しいていません。

*1:震える舌』というMYトラウマ映画を思い出しました

叔母の誕生日を祝して家族で集まって食事をしたあとに、唐突に見たくなって弟とレイトショーを求めて千葉からお台場まで疾走いたしました。首都高速を走るのは二回目とか言って緊張しておりました。深夜の首都高を車で走るのはやっぱり気持ちいい。ダイスキ。ひさびさのドライブでした。
運転手は弟ですけれども、私は弟をダイスキなので無問題です。(極度のブラコンです)(きもいですか)(きもくねーよ!)(あまりに弟が好きなのでテンションがぶっちぎりで高まりっぱなしでわれながらうざかったことは認める)(アニメ声で「そりゃないッスー」とか言ってた)(ごめん、やっぱりキモい)

魔法先生ネギま!

_| ̄|○
いやー23話以降の唐突なる鬱展開(それだー!悪魔だー!等価交換!)を私は嫌いじゃない(アホ展開なので)んですけれども。この解決はひどくないっすかー。みんなで現代に無事帰ってきたよーわっほーってなんの解決にもなってねーじゃん!と思ったら。EDの後にきましたよ。なに?明日菜ちゃん最初から打ち明けてさえいればどうにかなってたってわけ?そして?え?発明娘は未来人なのーーーーーーーー?
そんなんありかーーーーー
これまた原作を未読なのでどこまでがもともとあった設定なのかわかりませんけれども、アニメだけで考えるなら、そりゃねーぜと思いました。タイムマシーンで許容範囲ギリだっつの。せめてそこで諸悪の根源である明日菜の契約を止めろよ!明日菜ちゃんもその「前日まで忘れてたー」みたいなの、どうなのよ。もっと毎日その日がきちゃうことを恐怖しながら待ってるはずだろ!
ナギ・スプリングフィールドはそして、そんな初対面に近い10歳の男の子に明日菜のことを任せてる場合ですか。「マジック・キャンセル…!」じゃねーーー。今まで一緒に旅してきてるんだから、もっと気をまわせ。気づけ。もっとも気を使うべきところだろ。
他にも、ゆえの豹変っぷり(あなた…あんなに自分の気持ちを押し殺していたのに、なに唐突にのどかちゃんに宣戦布告してるんですか…!)とか、委員長のけなげっぷりとか(これは良かった)、全員順番にチューしてOPにつなげたーー!とか、まぁ色々とすごいなと思いました。アホ展開という目線で観るならアリなんだけど…ナ!
そういえば最終回のOP通常版で行くのかと思いきやビーチボールシーンを写真パラパラにして入れ込んでモノクロ走馬灯になってましたけれども。あの適当な処理は一体…。あの不評はなはだしいビーチボールを無理矢理入れ込んだ意図がわかりかねます。
それにしても23話の明日菜ちゃん墜落→ネギ抱きとめ→ネギ泣くという流れの「泣く」の部分の唐突さが気持ち悪かったです。なに唐突に察しちゃってるのという不自然感。あそこは絶対にネギくん何が起きたかわからないままに終了にしていいところだったのに。なぜ。
最後の明日菜ちゃんの契約が解けるところも、よくわからない未来の科学の力でピンクの光がピカーってなって樹木で花びらで感動ーみたいなひどい処理だったので、なんかもういいや、とさえ思いました。アホ展開としてだけ楽しむべきラストスパートでした。
これまた「原作嫁」アニメなんだろうな。読みますよ。がんばりますよ。(『AIとま』を開きながら)