読書日記 『コズミック水』 清涼院流水

コズミック水 (講談社文庫)

コズミック水 (講談社文庫)

あー。ジョーカーよりはまともだったかもしれない。コズミックが一番マシだった、という評価に納得の一冊。
冒頭(『コズミッック流』)で示される、一年間で1200の密室で1200人が死ぬ、という密室卿からの予告。次々に予告通りに死んでいく人々。
いや、もう、どうするの、これ。どうやって風呂敷畳むの?と心配になりながら読んだのですが、途中に『ジョーカー』を挟んだので、心配は消えました。
畳むね、この人は。というある種の安心。ある種の。ある種の。
コズミックの間にジョーカーを挟ませるのは、ジョーカーの事件を前提としてコズミック内で探偵たちの色々が語られるからで、そのへんの過去を気にしない人であれば、別に挟んで読む必要はないと思います。
でも、多くの人の感想の通り、コズミックが一番マシなので、コズミック読了でウンザリとしてしまった人はジョーカーを買わないという事態が予想されるわけで、間に挟まなかったら一生読まない罠。
探偵たちの人物描写が大嫌い!まるで織田裕二の演技みたい!ということは以前に書いたので省略。

<ネタバレします>

えーっと、密室が狂言でした、密室教という宗教でしたー!というオチは、実は私は嫌いじゃない。
ただ、松尾芭蕉云々は、もーほんと、おめーなー、と脱力。
真犯人が卑弥呼だろうがそうそう(漢字探せない)だろうが、どーでもいいっつのよ。
ひみこにみつしつをおしえたのはそうそう、て。
もうね、探す気にもなりませんからね。隠された文章とかアナグラムとか。ぼべべべべ!!

オナカイッパイです。清涼院はもういい。
でも、後書きを読んだらカーニバルも読んでみたくなっちゃった。これが病気なのでしょうか。人類滅亡だなんて、今度はどんな清涼院理屈で畳む気だろうって思わされた時点で負けなのかもしれない。

でも、嫌い。