『模倣犯』


物語 ★☆☆☆☆
映像 ★☆☆☆☆
演技 ★☆☆☆☆
総合 ★☆☆☆☆

一言感想:宮部みゆきに謝れ!

なにから書いたら良いのかわからないけど、とにかくひどい。爆笑しちゃうくらいひどい。あの長い原作を2時間なり3時間なりにまとめようっていうんだから、内容をはしょるのは仕方がない。けど。


<以下ネタバレ>


私が原作を読んだのはかなり前なので、記憶があやふやではあるのだけれども。たしかこの小説は、
・発見者の少年
豆腐屋をやっている被害者の祖父
・犯人たち
蕎麦屋の家族
ルポライターの女性
などの登場人物たちが、各々に少しずつからみ合って、最終的には物語を文字通りに織り成すようになる小説だったと思う。
その収束していく感じと、それぞれの人物の魅力的な描写。それこそが宮部みゆき
映画では、その「織り成す」感が、全然なかった。起きるエピソードを追うだけでいっぱいいっぱい。それでも、ピースの子どもが誰との間の子どもなのか、とか、まーったくわからない。もうちょっと丁寧に脚本をつくれなかったのかなあ。


役者は、意外なことに、藤井隆中居正広は悪くなかった。やりやすい役だってってこともあるかもしれないけど。もちろん山崎努も良い。木村ヨシノは、まあ、それなり。それよりも、ヒロミ役。なんでバイリンガルなんていう設定にしたんだろうなあ。原作もそうだったっけ?今、手元にないから確認できないや。喋り上手という設定の人間の喋りが一番聞くに耐えなかった、というのは辛い。


んでもって、一番びっくりしたのは、中居くんの爆破シーン。ピ、ピース、爆死したっけ??という、私の記憶力の弱さという問題もあるけれども…首飛んでるよ!なにこれなにこのチャッちぃ特撮!死ね!
笑わざるをえませんでした。こんなシーンを長々と撮るくらいなら、もっとストーリーを丁寧に描写せいっちうの。


カメラワークも嫌いだった。喋る二人の顔を振り子のように行き来するカメラとか、気持ち悪い。意味のない長まわしもやめてほしい。わけのわからないところで、BGM流してひっぱるなー。


ということで、良いところのほとんどない映画でした。