読書日記 『殺人鬼』 綾辻行人

殺人鬼 (新潮文庫)

殺人鬼 (新潮文庫)

再読。読めば読む程に覚えていました。でも、文字を読む恐怖というのは、この先なにが起きるのかがわかっていたからと言って薄らぐものではないのですね。こわい。きもい。
でも、食事をしながらでも読めます。ただ、あれだよね。女子どもにも容赦がないようでいて、容赦があるよね、こういうのって。グロ描写とか、痛み描写とか。それって、ちょっと甘い、とか思っていました。
ネタバレに通じることを書くので反転なぜいつも助かるヒロインの人物造型というのはこういう凝り固まったものになるんだ!
しかし、私はこの小説のメイントリックを筒井の『ロートレック荘殺人事件』のメイントリックと勘違いしていたんだけれども。じゃあ、ロートレックのトリックはなんだったっけか、という。また再読かあ。
自分がスプラッタ描写を受け付けるのかどうかのリトマス試験紙になる小説だと思います。私は好きじゃないけど読めなくもない。