『亡国のイージス』
- 作者: 福井晴敏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/08/25
- メディア: 単行本
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<以下ネタバレバレバレします>
仙石さんいい!たしかにいい!私はこういうタイプの人が実際にいたら苦手なんだけれども。なんていうのかなー。如月が心開いちゃうっていうのもわかるよ。朴訥というか、不器用というか、そういう人間をちゃんと大げさじゃなく描けるっていうのは素晴らしいことですよ。如月みたいな人間は描写が簡単だけどもさ。
そうそう、スケッチブックに仙石さんの姿を見つけたシーンでは泣けた。私はよく本を読みながら泣くので、この本なんかもうしょっちゅう泣いていたんだけれども。一番泣けたのはなんといっても梶本総理が渥見の案を受け入れたときでした。ああいう政治とかが絡んだドラマが動く瞬間って最高に好きだ。明石がダイスを認めたシーンも良かったけど。さすがにそっちは泣きませんでした。他にも色んなシーンでジーンときちゃったなあ。こういう男たちの男気のドラマって定番だけどやっぱりくるものがある。
菊政のことがすっごい好きだったから、読めば読むほど「こういう良い奴は死ぬ」っていうのが確信になっていって、あーあーひでーなーあーあーやっぱりーという感じでかなり (´・ω・`)
私は絶対に『いそかぜ』のクルーが反乱を起こして終わるんだって思っていたから、その予想が裏切られたのも面白かった。T爆弾使っちゃったらどうしようって本気でドキドキした。
こういう本を読んでいる時の気持ちは複雑で、仙石と如月に助かって欲しいんだけれども、でも助かっちゃうのも安易だよなあ、とか思ってしまうのでした。きっと作中で死んでいたら「ご都合主義になってもいいから生きていてほしかった」と思うんだろうな。如月は死ぬかもしれないと思っていたから、それも意外だったな。
正直、最後のほうはちょっとだれた。助かってしまってからの後日談は。
しかしよくもまあこれだけの人数出しておいて、ちゃんと人に合ったドラマを用意するなー。すごいなー。
すっごいいいもん読ませてもらった。感謝です。