『ロード・オブ・ザ・リング』
物語 ★★★★★
映像 ★★★★☆
演技 ★★★★★
総合 ★★★★★
一言感想:もう終わっちゃうのかーという寂しさ。
って、映画の感想じゃなかった全然。
1と2を観ていない人は、絶対に、まずそっちを見るべきです。
そんなの当たり前じゃねーかと思うかもしれませんが、映画館を出た時に居合わせたオバチャン二人連れの一人が
「まあ続きものだったのねー私どうしてあのコが指輪を運んでいるのかさぱりわからなくてー」
「そりゃあわからないわよねぇ」
という会話をしていて、それはほほえましいものだったんだけど、やっぱりちょっとなんていうか、もったいないよ!そんなの!と思ったので。
えーと、私は原作を途中で放棄していた人なので途中からの展開はまったく知らないで観ることができて幸せでした。起きることがわかっていてドキドキするのもいいけれど、私はやっぱり未知のなにかが起きるのを観たいのです。
観ている間、ずっと「あと数時間でこのシリーズは完結してしまうのか」ということを頭のすみっこのほうで考えていました。その寂しさというのは、学校を卒業してしまうときの寂しさにとても似ていて、おやおや、そんなにこの旅の仲間に愛着を抱いていましたか、と我ながらビックリさんなのであります。
<以下ネタバレおりまぜつつ中野からお届けします>
今回の泣きポイント1
あの、狼煙が次々にあがるシーンで泣きました。人々が手を繋ぐ瞬間が大好きなんです。こういう嗜好の人以外にはちょっとたるいくらい長いんじゃないか、というシーンでしたが。私はうるうるしながらローハンに狼煙がたどり着くのを見届けていたので夢中でした。
今回の泣きポイント2
2の感想でも書いたんだけれど、私は「かないっこない多勢につっこんでいく少数」というものにめっぽう弱くて(ラストサムライですらも泣けるのです。実は)黒い門でとりかこまれた状態からアラゴルンが走りだしたとき、それにまっさきに続いたのがホビットたちだった時には、なんというか、号泣でした。
あんだけ「来るわけがない」と言っていたローハンが来たんだから、来たということを知る瞬間が描かれていなかったので消化不良なむずむずが。味方だー!わーい!っていうシーンが欲しいよ。あの流れだと。
死者っていうのはなんていうか原作にあるんだからしょうがないんだろうけど、どうもねえ。緑に透けてるよーって感じで。あの、ワラワラと象もどきにたかるシーン(遠景だけど)では声をあげて笑ってしまいました。えへへ。
全体的に、この死者にまつわるエピソードは流され気味で、それは製作している側も映像に自信がなかったからなんじゃないかと踏んでいるんだけれど(だから逆に自信まんまんの象はやたらと画面に出てくる)それにしても、もうちょっと丁寧にできなかったもんでしょうか。と思わずにいられません。かえってきた者はいない谷にいって、死者と喋って、剣みせて、いつのまにか海賊を倒して来て、最後に「約束は果たされたから眠っていいよ」って、いいシーンだったと思うのに感慨はイマイチ。
そういえば、あのエルフの女性とアラゴルンの物語はもっとみたかったなあ。なんていうか、彼女が命を賭した感がすごい薄かった。
今回はガンダルフがとにかくすごくて、なにがすごいって、「全員逃げろ!逃げて生き延びろ!」と言った執政官を杖で殴って
「ばかもんがー!全員持ち場にもどれー!」とかやっちゃってて、なんつうかヤンチャでヤンチャで驚きました。
そういえばあの執政官の息子はどうなったんだろう。最後の結婚式(じゃないけど)にいたっけな。見落としてしまいました。
この映画に限らず、中世とかを舞台にしている映画とかとかを観ていると、なんていうか男性のみなさまがいかにも「お風呂に入っておりません」って感じで、男くさいんだろうなーって思います。ハァハァ。
2からハラハラしていたアラゴルンとローハンの娘の関係は
「あなたが愛しているのは幻想です」の一言で終了。うわーそんな、あなた、あんな意味ありげな目線を交わしておいてー。いや2であやしくなった時には、えーそんな、エルフの彼女はどうなるのーって思ったんですけれどもね。なんちうか、アラゴルンには本当にハァハァしちゃうんだど、乙女として恋する心は切なくて(ry という感じでしたよ。
あんなん絶対に期待するよなーぶつぶつ
と、思いつくままに書いてみました。おもしろかったー。でも、正直言って、4部作にしてもよかったんじゃないかって思います。ちょっとつめこみすぎ。1ほどダレてなかったから良いけど。