『グラスホッパー』 伊坂幸太郎

グラスホッパー

グラスホッパー

あいかわらずのトラフィックっぷり。伊坂の本のこういう構成はすごく好み。そして相変わらず、どっからどうみても悪っていう人が出てくるのね。悪いの怖いね。でも、この人が書くと平坦というか、悪を書くときの温度差っていうものがあんまりないから、なんか不思議な感覚だ。よけいに怖い、というか。リアル、というか。ちょっとちがうな。
高をくくる、というくだりはすごく好き。ああ、そうだよな、って思った。私も日々高をくくって生きてます。
必ず思い入れのあるキャラっていうものが伊坂小説だとできちゃうんだけど、今回は鈴木よりも鯨。
ああ、あと、これはファンタジーだと思った。騎士や魔女のように、自殺屋や押し屋。


以下ネタバレ


ラストが気にいらねーーーーーーーー。なんですか、この最後。まったくもって納得いかないのですが。鈴木、幻覚みちゃってるの?そんなーーーー。
なんか、こんなシックリこないラストは伊坂には珍しいのでなんか肩すかしというか。変な気分になりました。もっと、こう、がっつりとわかりやすく泣かせてくれよー。
ていうか、鯨は、何?自殺しちゃったの?え?なんでー?どゆことー???ライトバンって、なにーーー。押し屋の車はセダンだよね?このへん、唐突にわからなくなった。誰か解説してほしい。


あ、あと、蝉にも生きていてほしかった。岩西と蝉の関係は好きでした。