『おいしいコーヒーのいれ方(1)』 村山由佳

おいしいコーヒーのいれ方 (1) キスまでの距離 (集英社文庫)

おいしいコーヒーのいれ方 (1) キスまでの距離 (集英社文庫)

一部で話題の「おいコー」を読んでみました。やっと。
いやーひどいね!なんじゃこりゃ!!ぬぁーにが、キスまでの距離、じゃボケ!いい加減にしとけよ!という黒い気持ちで満たされました。
もともと恋愛小説というものは、まったく読まないんですが。これは、なんていうか、恋愛小説とかいう類いのものでもないよね。妄想小説です。くだらない。
と、切り捨てるのは簡単なのですが、もったいないのでどうせ読むなら楽しんで読みたい。私はこれを楽しむために、かれんを脳内で男に置換して読みました。そうしたら、まあ、萌えること萌えること。じゃっかんキモいですが、まあ楽しむことが可能になりました。で。この小説のこの構造はどこかでみたことがあるゾ、と思ったのですが。
・年上の超絶美人でどこかおっとりした(本文中の表現を使うなら「とっぽい」)いとこ
・やむをえない事情で同居
・なんとビックリ学年のみんなの憧れの美術の先生に!
・ワケありっぽい雰囲気の年上美女
・秘密の共有→君の弱さがキラリ☆涙
・主人公(男、年下)がつっぱしってみたのに、反応が薄い(または、無反応っぽい)
・やきもきしていたら「ばか!なんでわからないの!」涙
えーっと、これ…。まんま、エロ漫画ですよね。つっぱしるあたりで、セックスするかしないかだけの違いです。私なんて、ほら、脳内で絵柄まで浮かんできましたよ。鬼ノ仁作画で。
とりあえず、一冊目を読んだ時点での評価としては、かなり低いです。この後二人がすれ違ったりヤるのかヤらないのかヤキモキさせられたりするようなので、そちらの葛藤とかをどれだけ描けてるのか、というのには期待かな。ただ、この本の時点では、なんとも嘘寒い人物描写しかないので、納得がいくものが得られる気はまったくしないのですが。
でも、あれですね。中学生くらいの男子がこの小説にひそかにはまってキュンキュンしたりしているかと思うと、微笑ましいですね。