『MISSING』 本多孝好

MISSING (双葉文庫)

MISSING (双葉文庫)

絶対に好きだよ、といわれ続けていた一冊をついに読みました。うん、まんまと好みですね。あまりにも売れているのでケチをつけたくなってしまう人情物語な私なのですが、うん、悪くないんだなーこれが。やあね!
オムニバスの中で一番好きだったのは、「蝉の証」。私は年寄りと改心にすっごく弱いのです。「瑠璃」も悪くなかったけど

喪失をテーマにしているとは言え、ルコが死ぬという展開はいただけない。ルコが、失った過去の自分のことを泣くだけでMISSINGには十分なのに。
幽霊ちゃんも悪くなかったな。「眠りの海」はオチがファンタジーすぎてイマイチ。「彼の棲む場所」は、なんていうか、オチを放棄しているように思えてこちらもイマイチ。この放り投げっぷりがこの小編には必要なのかもしれないけど、好みじゃない。
つか、あまりにも明白にハルキストだなー。

「サラリーマンだって、もう少し変化のある生活をしてるぜ」
「動物園のカバだって」と僕は言った。
「そうだ。動物園のカバだってな」と大沢くんが相槌を打った。
とか、会話がハルキ臭むんむん。嫌いじゃないけども。


うーんやっぱり素直に評価できないなー。これが売れるっていうのはすごくよくわかるんだけど。


さて。次は、満を辞して『終戦のローレライ』です!このやろ!