『弥勒の掌』我孫子武丸

弥勒の掌 (本格ミステリ・マスターズ)

弥勒の掌 (本格ミステリ・マスターズ)

あちこちで好評だったので、期待しすぎないように注意しながら読書。なにか間違えているような気がしないでもないですが、気にしません。大変面白かったです。
奥さんがいなくなっても探さない男と、奥さんが殺されたことよりも不貞をしていたかもしれないことのほうに憤る男と。錯綜する二つの物語のつながりは謎の新興宗教。なんて書くとアレですね。派手ですね。
なんといってもラストが好き。ひ、ひでーーーー。

いやーまさか林トリックとはな!完全にだまされたというか、気づかなかったというか。無関係だったのかと思いきや思いっきり絡んでくる宗教団体とか、すべてのパーツに無駄がなくてすごく楽しかったです。
しかし、主役の男二人はどっちもまるでダメですね。そのダメな二人がすっごくすんなりと最終的に宗教団体に吸収されちゃうところとか、納得です。うむ。すばらしい。
なんか久々に「これぞ!」という気分でした。ミステリーキター!みたいな、な。